地方空港が熱い!フジドリームエアラインズ(FDA)が描く「空からの地方創生」と新興勢力の躍進

日本の空の景色が、今まさに鮮やかな色彩とともに塗り替えられようとしています。かつて大手航空会社が採算の問題で撤退を余儀なくされた地方路線を、新興の航空会社が次々と引き継ぎ、地域に新たな活力を注ぎ込んでいるのです。その象徴とも言えるのが、静岡市に本社を置くフジドリームエアラインズ(FDA)の存在でしょう。

2019年12月9日と19日、県営名古屋空港と静岡空港に、ローズピンクとバイオレットに彩られた真新しい機体が相次いで舞い降りました。これらはブラジル製の最新鋭機で、FDAの保有機体数はこれで16機にまで拡大しています。一機ごとに色が異なるカラフルな機体は、SNSでも「全色コンプリートしたい」「空港が華やかになる」と大きな話題を呼んでいます。

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徹底した需要予測と「攻め」の拠点拡大

FDAは総合物流企業である鈴与の100%子会社として、2009年7月に産声を上げました。当初はわずか2機でのスタートでしたが、日本航空(JAL)が撤退した静岡や松本発着の路線を丁寧に拾い上げ、着実にファンを増やしてきたのです。2019年夏ダイヤでは19路線を運航する規模に成長し、年間で約150万人を運ぶ地域交通の要へと進化を遂げました。

さらに、2019年10月には神戸空港への就航も果たし、松本や出雲、そして12月20日からは高知へと翼を広げています。新規就航の基準は「地上交通で4時間以上かかるか」という独自の視点にあり、徹底したデータ分析を行っています。それでも鈴与の鈴木与平会長が「最後は賭け」と語る通り、そこには地方の可能性を信じる強い決意が込められていると感じます。

こうした新興勢力の台頭はデータにも表れています。2018年度に運航された地方路線76のうち、約3割がFDAやピーチ・アビエーションといった新興勢による独占路線でした。大手には真似できない小回りの利く運営こそが、今の地方空港には必要不可欠なピースとなっているのでしょう。編集部としても、この「選択と集中」の戦略は非常に理にかなっていると考えます。

空の勢力図を変える新勢力と「MaaS」の波

この流れに続く動きも活発です。富山では、2021年秋の就航を目指す「ジェイ・キャス」が関西国際空港への路線計画を発表しました。北陸新幹線の開業で苦戦を強いられる富山空港の救世主となるか、期待が集まっています。地域企業と連携して「自分たちの足」を確保しようとする姿勢は、真の意味での地方創生の姿を体現しているのではないでしょうか。

また、業界の垣根を超えた連携も始まっています。2019年10月には、JALやANA、そして九州の地域航空会社が共同で「LLP(有限責任事業組合)」を設立しました。LLPとは、異なる組織が目的のために資金や技術を出し合い、柔軟に運営する組織形態のことです。これからは、航空だけでなく鉄道やバスを予約から決済まで統合する「MaaS(マース)」の普及も予想されます。

移動の利便性が高まることは、観光だけでなくビジネスや定住の促進にも直結します。空路を起点とした交通インフラの「合従連衡(がっしょうれんこう)」、つまり異なる勢力が結びつく動きは、今後さらに加速していくでしょう。2019年末の今、私たちはまさに、地方空港が日本の活力を支える新たな時代の幕開けを目撃しているのです。

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