2019年も残すところあと数日となった12月27日、アジアの株式市場に明るい兆しが見えてきました。アジア圏の有力企業300社で構成される「日経アジア300指数」が、約1年6カ月ぶりとなる高値を更新したのです。これは、投資家たちが再びアジア市場の成長性に注目し、資金を戻し始めている証拠と言えるでしょう。
今年1年を振り返れば、世界経済は米中貿易摩擦という荒波に激しく翻弄され続けてきました。特に2019年08月には、トランプ米大統領がスマートフォンなどを含む幅広い電子機器を対象とした対中制裁関税「第4弾」を表明し、指数は約1200まで急落する場面もありました。しかし、12月に入り状況は劇的な変化を遂げています。
米国が追加関税の発動延期を決め、さらに2019年12月27日には中国側も「第1段階の合意」の署名に向けて前向きな姿勢を示しました。この歩み寄りによって、市場を覆っていた暗雲が急速に晴れつつあります。SNS上でも「ようやく底を打ったか」「アジア企業の逆襲が始まる」といった、安堵と期待が入り混じった声が数多く寄せられています。
今回の株価上昇を牽引しているのは、主にハイテク分野の銘柄です。中国の家電大手であるTCL集団や液晶パネル大手の京東方科技集団(BOE)、さらには韓国の半導体巨頭であるSKハイニックスなどが、12月だけで約2割も値を上げました。5Gの普及を控えた今、これらの企業の業績改善に対する期待感は極めて高い状況にあります。
ここで「日経アジア300指数」という言葉についても解説しておきましょう。これは、日本経済新聞社が独自に選定した、アジア11カ国・地域の有力上場企業約300社の株価を指数化したものです。いわば「アジア経済の健康診断書」のような役割を果たしており、この数字が上がることは、地域全体の活力が戻っていることを示唆しています。
世界に遅れをとったアジア株の「逆襲」と今後の展望
ただし、手放しで楽観視できない側面も存在します。2019年の年初からの上昇率を比較すると、日経平均株価や米国のダウ平均が約2割上昇しているのに対し、アジア300指数は1割強に留まっています。世界的な株高の中で、アジア市場は依然として「出遅れ感」が否めないのが、編集部としての冷静な見立てです。
専門家の間では、現在の株高はあくまで「期待先行」であるとの慎重な意見も根強く残っています。米中関係の霧が晴れ始めた今、次なる焦点は「実体経済の回復」が本物かどうかという点に移るでしょう。つまり、企業が実際に利益を伸ばし、その数字を証明できるかどうかが、さらなる高値を目指すための必須条件となります。
個人的な見解としては、米中摩擦という最大の懸念が和らいだ今こそ、アジア企業の底力が試される絶好の機会だと考えています。特にサプライチェーン(部品の調達から製造、販売までの一連の連鎖)の再編が進む中で、東南アジア諸国などが新たな恩恵を受ける可能性も高く、2020年は非常にエキサイティングな年になるはずです。
先行きの不透明感が薄れた今、投資家たちの視線はすでに「次なる成長シナリオ」へと注がれています。アジア各国の企業がこの好機を活かし、盤石な業績回復を見せることができれば、現在の高値は単なる通過点に過ぎないでしょう。2019年の幕引きを飾るこのニュースは、輝かしい新年へのプロローグと言えるかもしれません。
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