2019年12月27日、千葉県庁では年内最後となる定例部課長会議が開催されました。この席で、森田健作知事は集まった約180名の幹部職員を前に、同年相次いで発生した台風や大雨への対応を振り返りました。知事は自らのリーダーシップに不十分な点があったことを認め、多大な負担を強いた職員たちに対して、異例ともいえる深々とした謝罪の言葉を述べたのです。
特にSNS上では、一連の災害対応における初動の遅れや、知事自身の動静を巡って厳しい批判が相次いでいました。ネット上では「現場の職員は必死なのに、トップの判断が不透明だ」といった声が目立っていたのも事実です。こうした世論の逆風を直接的に受け止める形で、森田知事は自らの非を認め、組織の立て直しを図ろうとする姿勢を鮮明に打ち出したといえるでしょう。
「一本締め」封印に見る、終わらない復興への決意
例年、こうした仕事納めの節目には、無事に一年を終えたことを祝う「一本締め」が行われるのが通例です。しかし、2019年12月27日の会議において、その光景は見られませんでした。今なお被災地では復旧作業に追われる方々がいる現状を鑑み、「私たちに仕事の締めはない」と、知事は祝杯ムードを一切排除する決断を下しました。この徹底した姿勢は、県民の苦難に寄り添う覚悟の表れかもしれません。
会議の終了後、恒例となっている「今年を象徴する漢字」を問われた森田知事は、力強く「進」の文字を揮毫しました。甚大な被害をもたらした台風からの復興、そして目前に迫る東京オリンピック・パラリンピックの準備。山積する課題を前に、どれほど苦しい状況であっても一歩ずつ前進し続けるという、悲壮なまでの決意がその一文字には込められています。
筆者の視点として、リーダーが自らの非を認めるのは勇気が要ることですが、言葉だけでなく具体的な「行動」で県民の信頼を取り戻すことが何より重要です。初動対応で露呈したBCP(事業継続計画)の甘さをどう改善し、次の災害に備えるのか。2019年12月27日の陳謝が、単なる形式的な儀礼ではなく、千葉県が真に強靭な組織へと生まれ変わるための転換点になることを強く期待してやみません。
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