金融からリースまで幅広く手掛けるオリックスが、エンターテインメント業界に新たな風を吹き込もうとしています。同社は2020年1月に、日本映画のライセンス事業へ本格的に参入することを決定しました。具体的には、中国の有力企業とタッグを組んで合弁会社を設立し、邦画の配給権を買い付けて現地の映画館へ届けるという、非常にダイナミックなビジネスモデルを展開する予定です。
このニュースに対し、SNS上では「オリックスの多角化経営には驚かされる」「中国で日本の映画がもっと身近になるのは嬉しい」といった期待の声が続々と上がっています。日本のコンテンツが海外でどのように評価されるのか、多くの人々がその動向を注視している状況と言えるでしょう。少子高齢化によって国内市場が頭打ちになる中、外貨を稼ぐ新たなルートを構築する狙いがあると考えられます。
世界最大の映画市場、中国への挑戦
なぜ今、中国なのでしょうか。実は2020年には、中国の映画チケット売上高が米国を追い抜き、世界第一位の市場になると予測されています。この巨大なマーケットを射止めるため、オリックスは中国での邦画配給に強みを持つフェニックス・エンターテインメント・グループと香港に合弁会社を設立します。オリックスは45%を出資し、持分法適用会社として強固な協力体制を築く方針です。
ここで注目すべきは、日本の独特な「製作委員会方式」へのアプローチです。これは、テレビ局や出版社、映画会社など複数の企業が出資して映画を作る仕組みを指し、権利が分散していることが特徴です。オリックスはこれらの権利元から中国輸出のライセンスを直接買い取り、現地の配給会社に委託することで、使用料などの収益を安定的に確保する戦略を描いています。
事業初年度となる2020年には、5本から10本程度の作品を輸出する計画であり、興行収入100億円という高い目標を掲げています。特に注目を集めているのが、2020年夏に日本で公開される「STAND BY ME ドラえもん 2」です。本作の現地配給権取得に向けて現在交渉が進められており、中国での「ドラえもんブーム」が再び巻き起こる予感が漂っています。
仲介から主役へ、オリックスが描く成長戦略
オリックスと中国市場の関わりは、決して昨日今日始まったものではありません。2015年には、中国で約3年ぶりに上映された新作邦画「STAND BY ME ドラえもん」の仲介を担当し、当時の邦画史上最高額となる約83億円の興行収入を記録しました。その後も「ビリギャル」などのヒット作を繋いできましたが、これまでの収益は仲介手数料のみに限定されていたのが実情です。
今回の参入によって、同社は単なる「橋渡し役」から、自らリスクを取って利益を最大化させる「ビジネスの主役」へと脱皮を図ります。個人的な見解としては、優れたコンテンツを持ちながら海外展開に消極的だった日本映画界にとって、オリックスのような資金力とネットワークを持つ企業の参入は、コンテンツ産業の活性化に大きく寄与する英断であると感じています。
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