日本中が固唾を飲んで見守ったソフトバンクの上場から、2019年12月19日でちょうど1年が経過しました。当時の売り出し規模は約2兆4000億円に達し、あのNTTをも上回る国内過去最大のメガ上場として歴史に刻まれています。しかし、華々しい幕開けとは裏腹に、現在の株価は公開価格の1500円を下回る1435円で取引を終えるなど、市場からの視線は依然として厳しいものがあるようです。
SNS上では「配当利回りは魅力的だけど、成長性に不安を感じる」といった投資家の冷静な声や、「PayPay(ペイペイ)の還元祭りはすごかったけれど、本業の通信はどうなるのか」という懸念が入り混じっています。上場直前に発生した通信障害や、強気すぎると囁かれた価格設定が今も影を落としているのかもしれません。期待が大きかった分だけ、株主の皆さんが抱く「物足りなさ」が如実に表れている結果と言えるでしょう。
通信の枠を超えた「種まき」と怒涛の経営統合
ソフトバンクの宮内謙社長は、厳しい環境を打破すべく「非通信」分野への投資を加速させています。2019年5月にはヤフー(現Zホールディングス)の子会社化を発表し、9月には衣料品通販大手のZOZOを買収するなど、そのスピード感には目を見張るものがあります。特筆すべきは2019年11月のLINEとの経営統合合意でしょう。これにより、日本最大級のインターネットサービス連合が誕生することになります。
ここで鍵となる「非通信」という言葉は、従来の電話やメールといった回線利用料以外のビジネスを指します。具体的には、電子マネーの決済手数料や広告、ネット通販などが含まれます。スマートフォンの普及が限界に達し、通信料の値下げ圧力も強まる中で、同社は「生活のあらゆるシーンを押さえるプラットフォーム」への変革を急いでいるのです。この大胆な戦略が吉と出るか、投資家たちはその「開花」を待ちわびています。
1億人規模の巨大経済圏が直面する「1+1」の壁
2020年春からは楽天の本格参入が予定されており、携帯電話業界のシェア争いは一層激化するでしょう。そんな中で期待されるのが、ZホールディングスとLINEの統合によるシナジー効果です。シナジーとは、複数の企業が協力することで、単独の時よりも大きな成果を生み出す相乗効果を意味します。利用者数2000万人を突破したPayPayとLINE Payの連携は、まさにその象徴的な一手となるはずです。
ただし、現場からは「単純に足し算にはならない」という慎重な意見も聞こえてきます。事業の重複や組織文化の違いなど、巨大組織ゆえの課題も山積みです。個人的には、これだけのユーザー基盤を誇る企業が一つになる以上、単なるコスト削減に留まらない「爆発的な利便性」を提示してほしいと感じています。上場2年目、ソフトバンクが蒔いた種がどのような花を咲かせるのか、真価が問われる勝負の年が幕を開けます。
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