2019年4月から9月期の決算発表が出揃い、株式市場には大きな激震が走っています。今回の決算シーズンは、多くの企業が業績予想を下方修正するなど、日本企業の「稼ぐ力」に陰りが見え始めた時期と言えるでしょう。
そんな荒波の中でも、投資家の期待を上回る結果を出した「サプライズ決算」が話題を集めています。日経500種平均を構成する約400社を対象に調査したところ、ITや精密機器セクターで力強さを見せた銘柄が、ランキングの上位を独占する結果となりました。
SNSでは「この不況下でこの伸びは本物」「銘柄選別がよりシビアになっている」といった声が溢れています。投資家たちは今、単なる数字の良し悪しだけでなく、企業の将来性を冷徹に見極めようとしているようです。
PayPay効果で首位独走のZHDと、復活を印象付けたオリンパス
上昇率の頂点に立ったのは、ヤフーを傘下に持つZホールディングスでした。同社が2019年11月1日に発表した連結決算は、直近の四半期業績が好調だったことに加え、戦略事業であるスマートフォン決済「PayPay(ペイペイ)」の圧倒的なユーザー増が好感されました。
「PayPay」は、QRコードなどを用いて現金なしで買い物ができるキャッシュレス決済サービスです。この将来性への期待感から、発表翌営業日の株価は16%も跳ね上がりました。まさに時代の波を掴んだ結果と言えるのではないでしょうか。
2位にランクインしたのは、医療機器の巨人であるオリンパスです。2019年11月6日の発表では、最終損益が360億円の黒字へと劇的な転換を遂げました。さらに、2023年3月期までに営業利益率を20%以上へ引き上げるという野心的な経営戦略を打ち出しています。
営業利益率とは、売上高に対してどれだけ効率的に利益を出せたかを示す指標です。この「稼ぐ効率」の改善を約束したことで、翌2019年11月7日には上場来高値を更新する快挙を成し遂げました。老舗企業の再生に向けた執念が、市場に高く評価された格好です。
自社株買いが株価の支えに、株主還元への期待も高まる
今回の決算で注目すべきは、好業績に加えて「自社株買い」を発表した企業の強さです。これは企業が市場から自社の株を買い戻すことで、1株あたりの価値を高める株主還元策の一つです。
ランキング7位のヤマハは、2019年11月1日に発行済み株式の2.2%にあたる大規模な自社株買いを発表し、株価は12%急伸しました。また、9位の三越伊勢丹ホールディングスも100億円規模の実施を公表し、投資家からの熱い視線を浴びています。
下方修正に泣く三井E&S、海外情勢の影響が深刻化
一方で、厳しい現実に直面している企業も少なくありません。下落率でワーストとなったのは三井E&Sホールディングスでした。2019年11月1日、2020年3月期の最終損益が880億円の赤字になるとの見通しを突如発表したのです。
原因はインドネシアでの火力発電所工事の遅延による追加損失です。黒字予想からの急落に、ネット上でも「想定外すぎる」「再建は大丈夫か」と不安の声が広がりました。翌営業日の株価は22%も暴落し、経営の先行きに暗雲が立ち込めています。
また、中国や欧州の景気減速も企業を苦しめています。JVCケンウッドや三井金属、コニカミノルタなども、海外市場の不振や需要減退を理由に通期予想を引き下げ、株価を大きく下げました。世界経済の減速が、日本の製造業の足を引っ張っている現状が浮き彫りになっています。
編集者としての私見ですが、今回のランキングはまさに「未来への投資」と「過去の負債」の対比だと感じます。変化を恐れず新しいサービスや構造改革に挑む企業には資金が集まり、旧来のビジネスモデルで立ち止まる企業には厳しい洗礼が下る。この二極化は今後さらに加速していくでしょう。
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