日本の「ものづくり」の現場がいま、劇的な変化の時を迎えています。これまで工場の隅で特定の作業を繰り返す「脇役」だった産業用ロボットが、人手不足や品質向上のニーズを受けて、現場の「主役」へと躍り出ているのです。特に注目すべきは、人間と同じ空間で作業を行う「協働ロボット」という存在でしょう。
SNS上では「ついにロボットと一緒に働く時代が来た」「SFの世界が現実になっている」といった驚きの声が上がっています。自動車や電機業界から、これまで導入が難しかった食品・医療分野へと、その活躍の場は急速に広がっています。最新技術がもたらす、2019年現在の熱気あふれるロボット市場の最前線に迫ります。
世界最小クラスの衝撃!不二越が放つ省スペースの救世主
2019年01月、不二越が市場に投入した超小型コンパクトロボット「MZ01」は、業界に大きな衝撃を与えました。このモデルの最大の特徴は、作業者1人分のスペースに2台も設置できてしまうほどのサイズ感にあります。1キログラムを持ち上げられる6軸型ロボットとしては、なんと世界最小を誇るのです。
ここで言う「6軸型」とは、人間の腕のように6つの関節(回転軸)を持つロボットを指します。これにより、複雑で繊細な動きが可能になります。従来の機種に比べて容積を45%も削減しながら、高い剛性を維持した設計は圧巻の一言です。労働人口の減少に悩む電子部品メーカーにとって、まさに待望のソリューションと言えるでしょう。
ファナックが挑む「魅せる工場」と配線内蔵の機能美
自動車製造の現場では、ファナックが開発した「R-2000iD/210FH」が異彩を放っています。このロボットが画期的なのは、これまで機体の外側に露出していた配線類をすべて内部に収めた点です。これにより、作業中に車体と配線が接触するトラブルを防ぎ、生産ラインの密度を高めることに成功しました。
さらに、V字型のスタイリッシュな外装も大きな魅力です。現場からは「これからの工場は、若者が働きたいと思えるかっこよさも必要だ」という意見が多く聞かれます。機能性だけでなく、デザイン性がモチベーションに寄与するという視点は、現代の製造業において非常に重要なエッセンスだと私は強く感じます。
食品・医療へ進出!衛生管理の壁を越えた安川電機の挑戦
これまでロボット導入が遅れていた食品・化粧品・医薬品の「三品産業」でも、革新が起きています。2019年11月に安川電機が発売した「MOTOMAN-HC10DTF」は、食品業界特有の「衛生面」という高い壁をクリアしました。表面に特殊なメッキ処理を施すことで、ロボット自体の丸洗いを可能にしたのです。
万が一の混入に備えて食品用グリースを採用するなど、安全への配慮も徹底されています。また、医療分野では川崎重工業とシスメックスが、2019年度中の完成を目指して国産初の手術支援ロボットを共同開発中です。長年市場を独占してきた海外勢に対し、日本の技術がどこまで肉薄できるか、大きな期待が寄せられています。
ロボット社会を支える黒衣「SIer」の存在とこれからの展望
こうしたロボットたちの活躍を裏で支えているのが「ロボットSIer(システムインテグレーター)」と呼ばれる専門家集団です。SIerとは、ユーザーの要望に合わせてロボットや周辺機器を組み合わせ、最適なシステムを構築する「導入のプロ」を指します。2018年に発足した協会には、すでに200社を超える企業が集結しました。
私は、ロボット単体の進化はもちろん、このSIerによる知恵の結集こそが「ロボット社会」実現の鍵だと確信しています。技術と現場を繋ぐパイプ役が整ったことで、2020年以降の日本はさらなる自動化の加速を見せるでしょう。今まさに、私たちの働き方は大きな転換点を迎えているのです。
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