2019年12月24日、関西の金融界に大きな地殻変動が起きています。地方銀行が、これまでの「お金を貸す」という本業の枠を超え、驚くべきスピードで新事業に乗り出しているのです。関西主要6行の2019年4月から9月期の決算によれば、5行が本業の儲けを示すコア業務純益で前年を下回るという厳しい現実を突きつけられました。
マイナス金利政策の長期化により、融資による利ざや稼ぎが困難になる中、地銀各社は生き残りをかけて「非金融」分野の収益源確保に必死です。SNSでは「地銀がホテルをやるの?」「銀行の強みを生かした新しいサービスに期待」といった驚きと関心の声が広がっています。銀行が街の風景を変えようとしている、その挑戦の裏側に迫ってみましょう。
京都のど真ん中にホテル誕生!不動産活用で見せる京都銀行の知恵
古都の賑わいを背景に、大胆な決断を下したのが京都銀行です。2019年現在の計画によれば、京都中心部の河原町支店を建て替え、2021年4月には地上10階建てのビルが誕生する予定となっています。驚くべきはその中身で、3階から10階までの広大なスペースを、約190室を備えるホテルとして運営会社に貸し出すというのです。
土井伸宏頭取は、この賃貸事業により年間で数千万円規模の利益が見込めると自信をのぞかせます。好調なインバウンド需要を取り込むこの戦略は、単なる収益確保にとどまりません。1階には商業施設を入れ、地域経済の活性化にも貢献するという「地域密着」の精神が宿っています。銀行が街のコンシェルジュになる日は、すぐそこまで来ているのかもしれません。
ITのプロが顧客を救う?紀陽銀行が仕掛けるシステムコンサルティング
和歌山を拠点とする紀陽銀行は、専門性を武器にしたコンサルティング事業を加速させています。2019年4月、堺支店内に「コンサルティング営業室」を新設しました。注目すべきは、主要子会社である紀陽情報システムの精鋭部隊が、銀行員とタッグを組んで顧客を訪問し、給与計算や勤怠管理といったバックオフィス業務のIT化を提案する点です。
銀行のコンサルティングといえば、これまでは事業承継や資産運用が中心でしたが、そこは競合がひしめく激戦区です。約260人の専門家集団を抱え、自治体のシステム構築実績もある紀陽銀行ならではの「ITソリューション」は、人手不足に悩む地元企業にとって最強の助け舟となるでしょう。地元の事情を知り尽くしたITコンサルタントの登場に、大きな期待が寄せられています。
グローバルな人材確保へ!池田泉州銀行が繋ぐ留学生と企業の未来
人材不足という社会課題に、ユニークな切り口で挑むのが池田泉州銀行です。2019年9月には大阪市内で外国人留学生を対象とした合同会社面接会を開催し、約200名もの熱意ある若者が集まりました。2018年12月に他行に先駆けて有料人材紹介事業に参入した同行は、特に外国人留学生の就職支援というニッチな分野で独自の輝きを放っています。
鵜川淳頭取が語るように、取引先企業からのグローバル人材へのニーズは極めて高く、マッチングの精度を高めることで新たな収益の柱へと育てようとしています。編集者の視点で見れば、こうした「非金融」への進出は、銀行が単なる金庫番から、地域のあらゆる悩みを解決する「総合サービス業」へと進化する過程だと言えるでしょう。変化を恐れず進化する関西地銀の姿は、日本の金融の未来を明るく照らしています。
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