JR四国は2019年12月23日、翌年春から高知県内を駆け抜ける新しい観光列車「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」の、アテンダント用制服をお披露目しました。今回のデザインコンセプトは、幕末から明治という激動の時代をしなやかに生きた土佐の女性の「凛とした強さ」です。伝統工芸の風合いを感じさせる装いは、新しい旅の始まりを予感させてくれます。
特に注目したいのは、随所に散りばめられた高知らしさの演出でしょう。春夏用のブラウスの袖口やエプロンの柄には、日本三大和紙の一つとして名高い「土佐和紙」の紋様が採用されました。和紙の原料である楮(こうぞ)や三椏(みつまた)が育む繊細な質感を、現代的な制服に見事に融合させています。こうした地域愛を感じる工夫は、乗客の目を楽しませてくれるはずです。
SNS上では「土佐和紙の柄が上品で素敵!」「ワンピースから上下セパレートに変わって、より活動的な印象になった」といった好意的な意見が目立ちます。これまでのJR四国の観光列車はワンピーススタイルが主流でしたが、今回はベストやスカートを組み合わせた構成へと進化しました。動きやすさと気品を両立させたスタイルは、現場で働くスタッフの満足度も高そうです。
高知の絶景と美食を楽しむ、新しい鉄道旅のカタチ
この新たな観光列車は、2020年4月から土讃線の高知駅から窪川駅の間を走る予定となっています。全47席の2両編成という贅沢な空間は、まさに走る社交場と言えるでしょう。運行は土曜日や日曜日、祝日を中心に行われますが、観光需要が高まる2020年7月以降は金曜日も仲間に加わります。週末の旅の選択肢が広がるのは、旅行者にとって嬉しいニュースです。
列車旅の醍醐味である車窓からの景色についても、心にくい演出が用意されています。清流として名高い仁淀川に架かる橋梁など、特に素晴らしい景観が広がるポイントでは、あえて速度を落として徐行運転してくれます。慌ただしい日常を忘れ、ゆっくりと移ろう高知の大自然を瞳に焼き付けることができるでしょう。カメラを構える準備も、これなら万全に整えられますね。
編集者の私としては、地域の伝統工芸を制服に落とし込む試みに大きな可能性を感じます。アテンダントは列車の「顔」であり、彼女たちが土佐和紙の物語を身に纏うことで、高知の歴史への理解がより深まるに違いありません。単なる移動手段としての鉄道ではなく、文化を伝えるメディアとしての役割を果たすこの列車に、期待は高まるばかりです。
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