【2019年最新】白血病治療の革命児「CAR-T療法」の現在地とは?自治医科大・小沢名誉教授が語る再発防止への挑戦と未来の展望

2019年、日本の医療界に衝撃が走りました。白血病の一部に対して驚異的な治療効果を誇る「CAR-T(カーティー)療法」が、高額な薬価とともに国内で本格始動したのです。しかし、画期的な治療法として期待を集める一方で、時間の経過とともに新たな壁も浮き彫りになってきました。

日本初の臨床研究を牽引した自治医科大学の小沢敬也名誉教授は、現状の課題として「長期的な生存率」を挙げます。2019年12月25日現在、投与直後は劇的にがん細胞が消失しても、数年後に再発してしまうケースが少なくありません。特にがん細胞が多い患者さんの場合、数年後の生存率は2割以下に留まるという厳しい現実があります。

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再投与を阻む「マウス由来」の壁とヒト抗体への転換

CAR-T療法とは、患者さん自身の免疫細胞である「T細胞」を取り出し、がんを攻撃するように遺伝子を組み換えて再び体内に戻す治療法です。SNS上でも「自分の細胞が戦う究極の武器」と注目されていますが、一度の投与で不十分な場合、二度目を打てば良いという単純な話ではありません。

なぜなら、現在のCAR-T細胞にはマウスの抗体が使われており、体内の免疫システムがこれを「異物」とみなして排除してしまうからです。小沢教授は、この課題を打破するために「ヒト抗体」への切り替えが重要だと指摘します。海外ではすでにヒトに近い成分を用いた研究が進んでおり、拒絶反応を抑える新たな一歩が踏み出されています。

固形がん攻略への険しい道のりとゲノム編集の可能性

血液がんだけでなく、胃がんや肺がんといった「固形がん」への応用も世界が渇望するテーマでしょう。しかし、固形がんは「間質」と呼ばれる強固なバリアや、免疫の働きを抑え込む特殊な環境に守られており、CAR-T細胞が内部へ侵入することさえ困難なのが2019年現在の実情です。

小沢教授は、この強固な守りを突破するために、オプジーボに代表される「免疫チェックポイント阻害剤」との併用など、さらなる工夫が必須であると説きます。がん細胞にブレーキをかけつつ、精鋭部隊であるCAR-Tを送り込むという、二段構えの戦略が求められているのです。

iPS細胞とゲノム編集が拓く「誰でもすぐに受けられる」医療

さらに未来を見据える上で欠かせないのが、ゲノム編集とiPS細胞の融合です。現在は患者さんごとに細胞を作るオーダーメイド形式ですが、これには膨大な時間とコストがかかります。もし他人の細胞をゲノム編集して「誰にでも使えるCAR-T」として備蓄できれば、重症患者さんを即座に救うことが可能になるはずです。

一刻を争う医療現場において、大量生産の鍵を握るのは増殖能力に長けたiPS細胞でしょう。日本が誇るこの技術をいかに治療へ組み込むか、研究の加速に期待が寄せられています。私は、この技術革新こそが、高額医療のコストダウンと治療の一般化を両立させる唯一の道であると確信しています。

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