お好み焼きの相棒として馴染み深いオタフクソース(広島市)が、社員の健康増進に向けた大胆な一歩を踏み出しました。同社は2020年1月8日、同年8月から会社の敷地内を完全に禁煙とする方針を発表したのです。今回の決定は就業時間中のみならず、リフレッシュのための休憩時間も対象に含まれており、これまで設置されていた屋外の喫煙スペースもすべて取り壊される予定となっています。
タバコがもたらす影響は、個人の体調面だけに留まりません。喫煙による集中力の途切れは「生産性の低下」を招くと言われており、仕事の効率を落とす要因になります。さらに、心筋梗塞や脳卒中といった「生活習慣病(日々の好ましくない生活習慣が積み重なって発症する病気のこと)」のリスクを高める点も、かねてより懸念されてきました。会社側が主導して仕事への悪影響を排除することは、今の時代において大変有意義な試みだと感じます。
実は、この8月の完全実施に向けて、段階的な取り組みがすでに始まっています。まず2020年1月からは、午前8時から午後5時までの定時内における喫煙が、昼休みを除いて一足早く禁止されました。これは出張などの外出時も同様に適用されますが、違反者への罰則は特に設けられていません。ルールで縛るのではなく、社員の自主性を重んじる姿勢に、企業としての温かみと信頼関係が垣間見えます。
さらに同社は、2019年秋から「禁煙外来(医師のサポートを受けながら医学的に禁煙を目指す専門外来のこと)」の治療費を、年間5万円まで補助する手厚い制度もスタートさせています。単に禁止を言い渡すだけでなく、依存症に悩む人を経済的にバックアップする体制が整っているのは素晴らしい仕組みです。企業のこうした優しい後押しがあれば、これまで禁煙に失敗してきた人でも、前向きに挑戦できるのではないでしょうか。
このニュースに対し、SNS上では「企業の鏡。ぜひ自社でも導入してほしい」「ここまで踏み込んだ対策をするのは本当に社員を大切にしている証拠」といった称賛の声が相次いでいます。一方で、「休憩時間くらいは自由にさせてほしい」「愛煙家にとっては少し窮屈な時代になった」といった、戸惑いを隠せないユーザーの本音も飛び交っていました。賛否はあるものの、世間の関心の高さが伺えます。
企業の健康経営が叫ばれる昨今、オタフクソースの決断は業界全体に大きな波紋を広げることでしょう。喫煙者への配慮と健康維持のバランスを取ることは容易ではありませんが、この改革が社員の皆さんの活力へと繋がることを期待したいところです。
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