【春風亭一之輔コラム】トムとジェリー論争にまさかの結末!?人気落語家を襲った新春のハプニングと日経新聞の謎

人気落語家の春風亭一之輔さんが綴る、クスッと笑えてどこか共感してしまうエッセイが大きな話題を呼んでいます。事の発端は、日本経済新聞でのコラム連載が決まったことでした。実はこれまで同紙をまともに読んだことがなかったという一之輔さん。しかし、打ち合わせで女性担当者から「落語が大好きなんです!」と目を輝かせて歓迎され、一気にやる気に火がつきます。ところが直後に「明日から産休に入ります」と告げられ、出だしから出鼻をくじかれる形となってしまいました。

このユーモア溢れるエピソードに対し、SNS上では「一之輔さんらしさ全開のスタートで最高」「産休の担当者さんへのエールが素敵」といった温かい反響が相次いでいます。担当者のために「胎教に良いコラムにしよう」と奮起した一之輔さんは、クラシックの巨匠モーツァルトの逸話を盛り込もうと試みます。しかし、無理に格好をつけるのは良くないと断念しました。そこで、2020年1月6日当時の仕事の移動中、旭川から札幌へ向かう特急列車の車内で目に入った光景をそのまま描写することにしたのです。

車内で一之輔さんの隣に座っていたのは、日本経済新聞を熱心に読みふける人物でした。そのカバンには、世界中で愛される名作アニメ「トムとジェリー」に登場するネズミのキャラクター、ジェリーのキーホルダーが揺れていたのです。これを見た一之輔さんは、自身の熱い「トム派」としてのこだわりを語り始めます。いつも一生懸命なのに、ずる賢いジェリーに返り討ちにされてしまう不憫な猫のトムを、子供の頃から一貫して応援し続けているのだそうです。

先輩から「40歳を過ぎればジェリーの魅力が理解できる」と諭された経験もあるそうですが、一之輔さんは納得がいきません。自分の可愛らしさを自覚し、時に過激な仕掛けをトムに施しながらも笑顔を絶やさないジェリーの姿に、少し怖い一面すら感じてしまうと分析します。隣の乗客に「ジェリーの可愛さに騙されてはいけない」と心の中で念を送っていると、視線に気づいた相手から睨まれてしまいました。この一連の独白には、多くのアニメファンからも共感の声が寄せられています。

そんな車内で、さらなる大ピンチが一之輔さんを襲います。別の乗客から「そこは私の席です」と声をかけられ、切符を確認すると、なんと仕事先の手配ミスで翌日の日付になっていたのです。自由席も満席の中、気まずさと恥ずかしさで脇汗を流しながらデッキへと退避せざるを得なくなりました。小心者ゆえに図々しい態度も取れず、言いようのない切なさに包まれて立ち尽くす一之輔さんの姿は、読んでいるこちらまでハラハラさせてくれます。

さらに、物語は衝撃の結末を迎えるでしょう。先ほどのジェリーのキーホルダーをつけた乗客がデッキへ歩いてきて、なんと女子トイレへと入っていったのです。一之輔さんが「おじさん」だと思い込んでいたその人は、実は「おばさん」だったという、見事なオチがつきました。トイレから出てきたその姿が、まるで不運に見舞われた自分を高いところから嘲笑うジェリーのように見えてしまい、一之輔さんは改めてジェリーへの苦手意識を募らせます。

2020年の年始早々、厄年の不運を味わうこととなった一之輔さんのエピソードは、日常のちょっとしたボタンの掛け違いを極上のエンターテインメントに昇華させています。落語家ならではの観察眼と自虐を交えた語り口は、読者を一瞬で引き込む魅力に満ちており、さすがの一言に尽きるでしょう。何気ない日常の一コマをこれほどドラマチックに面白く描ける筆力こそが、彼が多くのファンを魅了してやまない理由なのだと確信させられます。

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