年間200店舗以上の企画や設計、施工を手掛けるスパイスワークスホールディングスが、外食業界で大きな注目を集めています。名だたる外食大手企業も同社の卓越した開発力に信頼を寄せ、新しいお店のコンセプト作りを委託している状況です。
2019年12月13日、東京の池袋に同社がプロデュースした「ニクノ」という新しい飲食エリアが誕生しました。ここには生肉とイタリア風のおでんが楽しめるお店や、高級食材のトリュフを使った串揚げ店など、お肉をテーマにした個性豊かな4店舗が集結しています。
ユニークな仕掛けとして、女性グループだけで来店すると特定のドリンクがほぼ半額になる割引サービスを実施しており、SNSでも「女子会にぴったり!」「お得にハシゴ酒ができて最高」と大きな反響を呼んでいます。オフィス街や商業施設が集まる池袋で、働く女性が気軽に立ち寄れる癒やしの空間を目指したそうです。
また、回転寿司大手のスシローが2017年8月から展開している寿司居酒屋「鮨・酒・肴 杉玉」の立ち上げにも同社が深く関わっています。これはお寿司とお酒を気軽に楽しめる新しいスタイルの居酒屋で、大半のメニューを均一価格というお手頃な設定で提供しているのが特徴です。
大手ならではの仕入れ力を活かして新鮮な魚介を確保しつつ、見た目や調理に一手間加える工夫がヒットにつながりました。1年前の平均月商640万円から直近では770万円へと急成長を遂げており、現在は月に1店舗のペースで出店を拡大するほどの成長株となっています。
さらに、ワタミがシンガポールで展開する和食店「肉割烹」のプロデュースも同社が担当しています。和牛を鉄鍋で提供する「江戸焼き」や、特製のタレで味付けした「鶏すき」などが看板メニューとなっており、2017年の1号店を皮切りに、2020年からは本格的な多店舗展開に乗り出す方針です。
これら大手との協業だけでなく、同社は海外の魅力的なブランドを日本に誘致する事業や、アジア市場へ進出したい国内の飲食店をワンストップで支援するビジネスも開始しています。物件探しから人材育成、財務管理までを一括でサポートする体制を整え、すでに実績を上げています。
同社の挑戦は飲食店の枠を超え、宿泊事業にも広がっています。那覇市では、相部屋形式の格安宿泊施設であるユースホステルを買収し、女性が安心して泊まれる専用スペースとお腹を満たす美味しい食事を融合させた「ザ・キッチン・ホステルAO」を2016年から運営しています。
驚くべきことに、2年後を目標として千葉県鋸南町に約6億円を投じ、すべての客室に露天風呂を完備した本格的なすし料理が堪能できる高級ホテルの建設も計画しています。飲食という強みをコアに持ちながら、宿泊という新しい領域へと見事にビジネスを拡張させているのです。
一見すると大胆な多角化に思えますが、ホテル事業もあくまで「飲食ビジネスの延長線」という一貫した哲学が見事です。流行の本質を捉えた店舗開発力は素晴らしく、今後の展開が楽しみですが、急激な成長スピードに合わせた人材の確保や資金繰りの舵取りがこれからの鍵になるでしょう。
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