中国の武漢市で発生した新しいタイプのウイルスによる肺炎が、ついに国境を越えました。タイの保健省は2020年1月13日、武漢市から観光目的でやってきた61歳の中国人女性が、この新型肺炎に感染していることを確認したと公表したのです。中国以外の国で感染者が発見されたのは今回が初めてのケースとなります。アジア全体に緊張が走る中、SNS上でも「日本への流入も時間の問題ではないか」といった不安の声が急増しています。
この女性は2020年1月8日にタイへ到着した際、38度を超える高熱や息苦しさなどの症状が見られました。すぐに医療機関へ搬送されて検査を行ったところ、武漢市で流行しているものと遺伝子が一致する「新型コロナウイルス」が検出されたのです。幸いにも女性の体調は回復へと向かっており、同行していたツアー団体の中に同じような症状を訴える人は見つかっていません。しかし、予断を許さない状況は続いています。
そもそも新型コロナウイルスとは?迫る春節の恐怖
ここで専門用語を少し解説しましょう。今回話題となっている「新型コロナウイルス」とは、発熱や咳といった風邪のような症状を引き起こすウイルスの新種です。過去に多くの死者を出したSARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)の仲間ですが、今回はそれらとは異なるタイプだと判明しました。現時点では人から人への感染は認められていないものの、特効薬やワクチンの完成には数年を要する可能性があるため、世界中が警戒を強めています。
中国国内では2020年1月10日までに41人がこの肺炎を発症し、2020年1月11日には初めての死亡例も報告されました。さらに事態を深刻にしているのが、2020年1月25日から始まる「春節(旧正月)」の大型連休です。中国政府の予測によると、2020年1月10日から2020年2月18日までの帰省シーズン中に、なんと延べ30億人もの人々が移動する見通しとなっています。この大移動がウイルスの拡散を加速させるのではないかと危惧されているのです。
日本への影響と今後の対策に対する編集部の視点
中国のメディアによれば、今年の春節期間中に中国人が訪れる人気の海外渡航先トップ3は、バンコク、大阪、東京となっています。日本が上位を占めている以上、国内へのウイルス流入は決して他人事ではありません。かつて2002年にSARSが流行した際は、中国政府による情報開示の遅れが被害を大きく広げる原因となりました。今回は迅速な情報共有と、国境を越えた徹底的な検疫体制の強化が何よりも重要になると私は確信しています。
SNSでは「マスクの着用や手洗いを徹底しよう」というセルフケアの呼びかけが早くも広がっています。タイ政府が空港での水際対策を強化したように、日本も主要空港での体温チェックなどの監視体制を最高レベルに引き上げるべきでしょう。私たち一人ひとりも、正しい情報に耳を傾けながら、冷静に感染予防に努める必要があります。楽しいはずの休暇が悲劇に変わらぬよう、国際社会が一丸となった迅速な対応を期待してやみません。
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