大手ハウスメーカーのパナソニックホームズが、ついに宿泊事業への本格的な参入を果たしました。同社は建物の施工から敷地の所有までをトータルで手掛け、実際の運営は外部の専門業者に委託するスタイルを採用しています。2019年12月下旬には、大阪府大阪市にて同自治体が認める「特区民泊」の制度をフルに活用した新しい宿泊施設をオープンさせました。
特区民泊とは、国家戦略特権の一環として自治体が定めた独自のルールにより、一般的な民泊よりも柔軟に宿泊ビジネスを展開できる仕組みのことです。この新施設は、近年急増している関西エリアへの訪日外国人旅行客をメインターゲットに据えています。さらに、観光需要の波に合わせて将来的に賃貸マンションへ模様替えできる画期的な設計が施されました。
SNS上では「旅行のトレンドを押さえた賢いビジネスモデル」「部屋のクオリティが高そう」といった期待の声が寄せられています。2021年度には大阪エリアだけで20億円もの受注を目指すとのことで、同社の本気度が伺えるでしょう。これからの時代、ただ建物を建てるだけでなく、市場の変化に寄り添って建物の役割を柔軟に変えられる先進的なアプローチが不可欠です。
インバウンドの家族層を魅了する充実の設備と柔軟な戦略
新しく誕生した宿泊施設は10階建ての堂々たる佇まいで、パナソニックホームズが培ってきた建築ノウハウを結集して設計・施工されました。グループ内の不動産会社が土地と建物を丸ごと借り上げ、宿泊運営を行う事業者へ転貸する安定した経営スキームを確立しています。客室は全54室が用意され、1部屋あたりの広さは約40平方メートルとゆったりした空間です。
年間平均で1泊1万500円程度というリーズナブルな価格設定でありながら、最大で5名まで一緒に泊まれる点が大きな強みでしょう。これにより、大人数で日本を訪れる外国人ファミリーの宿泊ニーズを的確にキャッチしています。自社ブランドの高品質なキッチンやバスルーム、トイレが完備されているのも、宿泊客にとっては嬉しいポイントです。
特筆すべきは、観光ブームの変動を見据えて、いつでも一般の賃貸物件へコンバートできる独創的な構造を導入している点にあります。このリスク回避の視点こそ、これからの不動産投資において重要な鍵になるはずです。現在は難波や心斎橋といった大阪の主要エリアを中心に営業を展開しており、2019年度の受注額は12億円に達する見込みとなっています。
パナソニックホームズの野望はこれだけにとどまりません。2021年度には東京や大阪をはじめとする日本全国の主要都市において、総額100億円規模の受注を獲得するという壮大な目標を掲げています。日本の観光産業を支える新しい建築のあり方として、同社の今後の展開から目が離せそうにありません。
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