✅**【民泊新法から1年】AirB&Bの掲載物件が5万件に回復!規制と連携で日本の民泊市場はどう動く?**

民泊仲介サービスで世界最大手の米エアビーアンドビー(AirB&B)は、2019年6月6日に開かれた記者会見において、自社の仲介サイトに掲載される日本国内の物件数が同年5月31日時点で5万件に達したと公表しました。これは、2018年6月に施行された住宅宿泊事業法(民泊新法)により、一時期大幅に減少した登録物件が、ピーク時の約8割まで持ち直したことを示しており、日本の民泊市場が新たな局面を迎えつつあることが伺えます。

共同創業者のネイサン・ブレチャージク最高戦略責任者は、民泊新法施行から1年を迎えるにあたり、「新しい法律によって長期的で明確な法的な枠組みが確立され、コミュニティがより大きく強力になるでしょう」と、法整備が事業の発展に寄与するとの見解を示されました。この1年間で届出がなされた全国の民泊新法に基づく物件は1万6千件超(2019年5月15日時点)ですが、その大部分がAirB&Bのサイトに掲載されていると推測されています。これに旅館業法や国家戦略特区の許認可を得た物件を合わせると、合計5万件・7万3千室もの宿泊の選択肢を旅行者へ提供できる状況となりました。

過去には、従来の旅館業法の許可がない違法な「ヤミ民泊」と呼ばれる物件が大半を占めていましたが、新法の施行を機にAirB&Bはこれらを積極的に削除してきました。調査会社によると、登録物件数がピーク時と比較して7〜8割も少なくなり、2万件以下にとどまった時期もありましたが、その後、適法な届け出が着実に進み、掲載物件の数が回復基調にあることが確認できます。これは、法規制が整うことで、信頼性と安全性が向上し、結果として適正な事業運営へとシフトしている証拠と言えるでしょう。

しかしながら、民泊新法が定める年間営業日180日の上限や、地方自治体の条例による区域・期間の制限が、民泊普及の障壁となる可能性も指摘されています。たとえば、1年間を通じて営業が認められる「特区民泊」が集中している大阪市では、AirB&Bを利用した旅行客数が1年間で160万人に上っています。一方、民泊に対する規制が厳しい京都市では66万6千人にとどまるなど、自治体ごとの規制の差が利用客数に明確な影響を及ぼしている様子が見受けられます。

ブレチャージク氏は日本経済新聞の取材に対し、「我々のビジネスモデルがうまく機能することを実証し、証明している段階です。時間を要するかもしれませんが、信頼の構築に力を注いでいきます」と、市場への長期的なコミットメントを強調されました。このような状況を鑑みると、民泊事業者が地域社会から信頼を勝ち取り、適正な運営を推進していくことが、今後の市場拡大の鍵を握ることは間違いないでしょう。規制の厳しい自治体との連携や理解促進が、次の成長フェーズへと進むために不可欠だと考えられます。

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✅地域と連携し、大型イベントを追い風に成長を加速

民泊のさらなる普及において重要な要素の一つが、地域との連携です。AirB&Bは、宿泊施設が不足すると見込まれる場合に、旅館業法に基づく営業許可なしで民泊提供を認める**「イベント民泊」制度に着目し、その活用を進めています。この制度は、年数回(1回あたり2~3日間)の大型イベント開催時など、自宅を提供するような公共性の高いものについては、旅館業には該当しないものとして取り扱うというものです。

AirB&Bは、2019年秋にラグビーのワールドカップ(W杯)が開催される岩手県釜石市をはじめ、熊本県、大分県と連携協定を締結し、この制度を活用して住民や観戦客へ宿泊施設を提供する計画です。この取り組みは、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けた民泊活用の機運を高めることを目的としています。さらに、同年6月6日には東京都新宿区とも、民泊事業者の適正な運営を促進するための提携を発表するなど、地方自治体との協調路線を鮮明にしている状況です。

また、民泊事業を多角的にサポートする協力企業は117社**にまで増加したことも併せて発表されました。例えば、不動産の売買仲介やリースなどを手掛けるハウスドゥとは、管理する空き物件を民泊として運用するための連携を進めています。さらに、日本のAirB&B利用者のおよそ4分の1が中国人観光客であることから、今後、中国語でのサポート体制を重点的に強化していく方針です。多言語対応の拡充は、増加するインバウンド需要を取り込む上で極めて重要であり、市場の多様なニーズに応えるための布石と言えるでしょう。(担当編集:小田浩靖)

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