【国民年金】学生必見!「ガクトク」は単なる支払い猶予じゃない!障害年金も守る

20歳を迎えた学生の皆さま、ご子女を持つ保護者の皆さまへ。日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての方に加入義務がある国民年金について、日本年金機構から加入の案内が届き始めていることでしょう。しかし、学業に専念し収入が少ない学生にとって、毎月の保険料を納付することは大きな負担となることも事実です。そこで注目されるのが、学生納付特例制度、通称「ガクトク」です。この制度は、単に保険料の支払いを先延ばしにするだけでなく、万が一の事態に備えるための大切なセーフティネットとしての役割も担っています。

そもそも国民年金の保険料を未納にしてしまうと、老後に受け取る年金だけでなく、病気やケガで障害を負ってしまったときに支給される障害年金までも受け取れなくなるリスクが生じます。この深刻なリスクを回避するために、厚生労働省も略称として用いているのが「学生納付特例制度(ガクトク)」なのです。これは、申請し承認されることで、学生期間中の国民年金保険料の納付が猶予され、年金の受給資格期間を確保できる画期的な仕組みと言えるでしょう。

この特例制度は、大学や大学院、短大、専門学校などに通う学生を対象として、2000年度から導入されました。現在では年間170万人以上が利用している、非常に身近な制度です。申請には、本人の前年所得が118万円以下といった所得の要件がありますが、そもそも学生は所得が少ないため、申請すればほとんどの場合で承認されているのが実態です。年齢の上限はありませんので、夜間学校や定時制などに通う社会人学生も対象となり得ます。申請は、お住まいの市区町村の窓口などで受け付けているので、まずは相談してみるのが得策です。

ただし、手続きの際には注意が必要です。この制度は、保険料の免除ではなく、あくまで猶予であるという点を理解しておきましょう。一度の申請で認められるのは、その年の年度末(3月)までの期間となります。例えば、20歳になったのが6月の方であれば、今年度は翌年3月までの分を申請し、さらに翌年4月からの分は翌年度に再度申請が必要です。大学4年間で卒業するとしても、最低でも3回の手続きが必要になる計算です。

また、学生納付特例期間は、将来老齢年金を受け取るための「受給資格期間」には算入されますが、そのままでは将来の年金額には反映されません。社会保険労務士の中村薫氏によると、保険料を納付した人と比べて「1年で2万円、2年で4万円ほど年間の受取額が少なくなる」可能性があると指摘されています。将来の年金額を減らさないようにするためには、猶予された保険料を後日「追納」する必要があります。追納には10年間の期限が設けられていますので、収入を得られるようになってからの計画的な納付をおすすめいたします。

特例申請は、過去の期間についても、手続きから2年1カ月前まで遡って申し込むことが可能です。しかし、申請が遅れると、障害年金が受け取れないといった、取り返しのつかない不利益を被る可能性があるのです。障害年金は、病気やケガで初めて医師の診察を受けた日である「初診日」を基準とした、年金加入・保険料納付の要件で受給の可否が判断されます。このため、初診日を過ぎてから学生納付特例の申請・承認がされても、要件を満たさないと判断されてしまうケースがあるからです。「案内が届いたら速やかに手続きをすることが肝心です」と中村氏が語る通り、手続きを先延ばしにすることは極めて危険と言えるでしょう。

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若い世代こそ知っておくべき「障害年金」という備え

多くの若い方にとって、「老後の年金」は遠い将来の事柄と感じられるかもしれません。しかし、病気やケガによる障害年金は、年齢に関係なく、誰にでも起こり得るリスクに対する備えです。近年では、精神の障害も支給の対象となっており、より身近な制度となっています。障害基礎年金2級の支給額は年間約78万円です。仮に20年間受け取り続けた場合、総額は1500万円以上にも上ります。手続きを怠り未納期間を作ってしまうと、これほどの経済的な支えを失う可能性があるのです。

このようなリスクを考慮すると、家計の状況にもよりますが、子が学生の間は親が保険料を立て替えて納付しているケースも少なくありません。大切なのは、この学生納付特例制度のメリットとデメリット、そして何よりも障害年金というセーフティネットの重要性を親子でしっかりと理解し、手続きの遅れがないように速やかに対応を決めることだと言えます。将来の年金と、今を生きるリスクへの備え、両方を確保するために、ぜひとも手続きを急いでください。

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