2020年01月14日に行われた記者会見において、菅義偉官房長官が「桜を見る会」を巡る新たな事実を公表し、大きな波紋を広げています。内閣府が2019年11月に国会へ提出した推薦者名簿の中で、実際に推薦を行った具体的な政府部局の名称を意図的に隠すという、不適切なデータ加工が行われていたことが明らかになりました。この事実について菅氏は、特定の文字を消去したにもかかわらず国会側へ事前の説明を怠っていたことを認め、非常に不適切な対応であるとして内閣府への厳重な注意徹底を口にしています。
メディアを預かる身としてこの問題を捉えたとき、単なる行政のミスでは済まされない根深いものを感じざるを得ません。国民の代表が集う国会に対して、提出する公文書(国や行政機関が業務として作成・保管する公式な書類)の重要な情報を伏せて提出するという行為は、議会制民主主義の根幹を揺るがしかねない深刻な事態です。たとえそれが事務的な判断であったとしても、透明性を欠いた隠蔽体質が役所内に蔓延しているのではないかという強い疑念を抱かせるには十分な出来事だと言えるでしょう。
今回の隠蔽加工を実際に判断したとされるのは、内閣府人事課の事務方であることが菅氏の説明によって判明しました。この担当部署は課長級を含めて毎年数人ほどの少人数で運営されている組織であり、その閉鎖的な環境が今回の身勝手な判断を生む温床になった可能性があります。ネット上のSNSでもこの発表直後から大きな反響を呼んでおり、「少人数の事務方が勝手に判断できるはずがない」「組織的な隠蔽ではないか」といった、政府側の釈明に対する厳しい批判の声が数多く上がっている状況です。
さらに会見では、2017年度までの5年間に及ぶ招待者名簿が「行政文書ファイル管理簿(公文書の保管状況や期限を記録する公式な台帳)」に登録されていなかった問題についても言及されました。菅氏はこの不手際について、民主党政権時代の前例を踏襲したものであるという見解を示しています。具体的には2011年と2012年に東日本大震災などで会が中止となった際、本来なら台帳に載せるべき名簿を未掲載のまま破棄しており、そのずさんな取り扱いが2013年以降の後任にも引き継がれてしまったと語りました。
過去の政権に原因を求めるかのような姿勢に対しては、SNSでも「前政権のせいにするのは責任転嫁だ」「引き継いだのなら現政権の責任も重い」と厳しいツッコミが相次いでいます。そもそも公文書は国民の共有財産であり、その管理を前例踏襲という言葉で蔑ろにすることは決して許されません。それにもかかわらず、菅氏はこれまでの調査で名簿自体はすでに破棄されていると強調し、これ以上の再調査は行わない方針を頑なに崩しておらず、全容解明を望む世論との間には大きな溝が深まるばかりです。
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