2020年1月16日の東京外国為替市場は、全体として大きな方向感が出ず、静かな値動きが続いています。世界中が注目していた米中両国による貿易協議の「第1段階」の合意署名が無事に完了したことを受け、市場には一時的に安心感が広がりました。投資家がリスクを取ってリターンを狙う「リスクオン」のムードが強まり、比較的安全な資産とされる円を売って、米ドルを買う動きが優勢となっています。
インターネット上のSNSでもこの動きは話題を呼んでおり、「大きなイベントが無事に通過してホッとした」という声が上がる一方で、「織り込み済みで思ったより動かない」といった冷静な分析も目立っています。実は円安への動きを抑えるブレーキも同時に働いているのです。前日に米国の長期金利(国が発行する10年物などの債券の利回り)が低下したことで、日米の金利差が縮小するとの見方が強まり、これが円相場を下支えする格好となりました。
現在の主要な通貨ペアの動きを見てみますと、12時時点のドル・円は1ドル=109円93銭から109円94銭前後と、わずか3銭ほどの円安水準で推移しています。またユーロ・円は1ユーロ=122円59銭から122円60銭と29銭の円安となり、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.1151ドルから1.1152ドル近辺で推移する展開です。このように各通貨ともに一方向への爆発的なトレンドは全くな見られず、緊迫した膠着状態が続いています。
編集部としては、今回の米中合意はあくまで「第1段階」に過ぎず、今後の詳細な交渉次第では再び市場が荒れる可能性を秘めていると考えます。目先材料が出尽くしたことで為替市場は一服感に包まれていますが、このような小動きの時期こそ、次の大きなトレンドに向けたパワーを蓄えている期間と言えるでしょう。投資家の皆様は、目先の小さな値動きに一喜一憂することなく、大局的な視点で次の動向をじっくりと見極める姿勢が求められそうです。
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