【2019年最新】半導体メモリー市場に復活の兆し?Windows 7特需と在庫調整がもたらす転換点

2018年後半から厳しい冬の時代が続いていた半導体メモリー市場に、ようやく春の訪れを感じさせる変化が起き始めています。特にスマートフォンやPCのデータ保存を担う「NAND型フラッシュメモリー」において、価格の下げ止まりと回復のサインが見え隠れしているのです。

2019年9月の市場調査によれば、指標となるTLC(トリプル・レベル・セル)型の128ギガビット品は1個あたり2.02ドル前後で取引され、3カ月連続の値上がりを記録しました。この「TLC」とは、1つのメモリセルに3ビットの情報を記録する技術で、大容量化と低コスト化を両立させた現代の主力製品です。

今回の価格上昇の背景には、メーカー各社の懸命な在庫調整に加え、意外なアクシデントも関係しています。2019年6月15日にキオクシア(旧東芝メモリ)の四日市工場で発生した停電により、供給に一時的な滞りが生じました。これが市場の品薄感を強め、結果として価格を押し上げる要因となったのです。

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Windows 7サポート終了がもたらしたPC買い替えの熱狂

データの一時保存に使用される「DRAM」の動きも興味深いものがあります。2020年1月14日に予定されているWindows 7のサポート終了を目前に控え、日本国内ではPCの買い替え需要が爆発的に高まっており、これがメモリー需要の強力な追い風となっています。

電子情報技術産業協会(JEITA)の報告では、2019年4月1日から2019年9月30日までの国内PC出荷台数は、前年同期比で5割増となる504万台に達しました。上半期で500万台の大台を超えるのは実に7年ぶりとのことで、オフィスや家庭での更新がいかに急ピッチで進んでいるかが伺えます。

SNS上でも「会社のPCがようやく最新版に変わった」「増税前に駆け込みで購入した」といった声が散見され、ユーザーレベルでの熱量の高さが市場を支えているようです。しかし、この活況はあくまで一時的な「特需」という側面が強く、手放しで楽観視できないのが現状と言えるでしょう。

サーバー向け需要の復活が完全回復へのラストピース

市場が真の復活を遂げるための鍵は、依然として冷え込んでいるデータセンターのサーバー向け需要が握っています。米中貿易摩擦による先行き不安から、IT大手企業の投資は2018年後半より停滞しており、積み上がった在庫の解消にはまだ時間が必要との見方が大勢を占めています。

編集部としては、現在の価格上昇は「供給側の都合」による側面が強いと感じています。本当の意味で半導体市場が黄金期を取り戻すには、5G通信の普及やAI技術の進展に伴う、実需に基づいたサーバー投資の再開が不可欠です。2020年以降、これらの新技術がどれほど市場を牽引するかに注目です。

半導体は現代社会の「産業のコメ」であり、その動向は私たちのデジタルライフのコストに直結します。現在は回復への足掛かりを築いている段階ですが、サーバー需要という大きなエンジンが再始動するその日まで、業界全体が固唾を呑んで推移を見守る状況が続くことは間違いないでしょう。

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