北海道の豊かな大地が育んだ美味しい食材が、ついに海を越えてヨーロッパの食卓へダイレクトに届く時代がやってきました。北海道は、2019年12月に新たに就航したフィンランド航空の直行便を食品輸出に役立てるための実証実験を開始したのです。これまでは遠い存在だった欧州市場ですが、今回の定期直行便の登場によって、ビジネスの可能性が大きく広がることが期待されています。
初回の実験が行われた2020年1月10日には、新千歳空港からフィンランドのヘルシンキへ向かう旅客機の貨物スペースが活用されました。コンテナ3箱に詰め込まれたのは、冷めても美味しいと評判の北海道米「ななつぼし」や、風味豊かな日本酒、洗練された味わいのワイン、そして新鮮なホタテなど、計140キログラムに及ぶ道産ブランドです。
SNS上でもこの試みは大きな話題を呼んでおり、「現地で日本の美味しいお米やホタテが食べられるのは嬉しい」「北海道の食が世界に認められるチャンス」といった、期待に満ちた声が数多く寄せられています。今回のフライトを皮切りに、2020年2月までに合計3回にわたって同様の輸送テストが実施される予定です。
このルートの最大の強みは、なんといっても日本とヨーロッパを約9時間という最短ルートで結ぶ圧倒的なスピード感にあります。さらに、ヘルシンキに到着した貨物はそのままイギリスのロンドンへと運ばれるため、欧州各地へ迅速に新鮮な食材を届けることが可能です。
欧州空輸ビジネスの課題とこれからの展望
一方で、この物流網を安定して維持するためにはクリアすべきハードルも存在します。北欧から新千歳に向かう復路ではノルウェー産のサーモンといった高い貨物需要が見込めるものの、日本から欧州へ向かう往路において、継続的にまとまった量の貨物を確保できるかは現時点では未知数だからです。
そこで重要になるのが、今回の実証実験を通じて輸送コストや流通における具体的な課題を洗い出す作業です。北海道は、集まったデータを分析して具体的な活用プランを2020年3月までに取りまとめる方針を示しています。
筆者としては、この試みは日本の農水産物の輸出を飛躍的に伸ばす絶好のチャンスだと確信しています。今回の実証実験でコストや鮮度保持の課題が解決されれば、道内企業にとって欧州は一気に身近な市場になるでしょう。スピード輸送という付加価値を武器に、北海道ブランドが世界中で愛される未来を楽しみにしています。
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