和歌山市に拠点を置く注目の乗り物スタートアップ「グラフィット」が、新たな移動の形を提案する画期的な立ち乗り電動バイク「X-SCOOTER LOM(クロススクーター ロム)」を開発しました。徒歩で行くには少し遠いけれど、自動車を出すほどでもないという、日常の絶妙な「ちょい乗り」需要を満たしてくれる新世代のモビリティです。SNS上でも「近未来感があって格好いい!」「ちょっとした買い物に便利そう」と、早くも乗り物ファンの間で大きな話題を呼んでいます。
グラフィットは2020年1月7日から2020年1月10日までアメリカのラスベガスで開催された世界最大級の技術見本市「CES」にこの新製品を出展しました。外見はスタイリッシュなキックスケーターに似ていますが、その頑丈な作りと段差をスムーズに乗り越えられる走行性能が、石畳の多い欧州からの参加者らに大絶賛されたそうです。最高速度は時速25キロに達し、鳴海禎造社長は「路上をスキーで滑るような感覚」とその爽快な乗り心地を表現しています。
この次世代バイクは、これからの交通の要となる「MaaS(マース)」を見据えた機能を備えている点が最大の特徴です。MaaSとは、スマートフォンなどを活用して、電車やバス、タクシー、シェアサイクルといった様々な移動手段を一本化し、予約から決済までをシームレスにつなぐ次世代移動サービスのことです。この「LOM」には物理的な鍵が存在せず、専用のスマホアプリが鍵の代わりを果たします。これにより、簡単に車両をシェアできる仕組みが整っています。
日本では道路交通法の関係で原動機付自転車扱いとなり免許が必要ですが、運転免許が不要なアメリカ市場を見据え、2020年2月から米国を舞台に購入型のクラウドファンディング(CF)を開始します。想定価格は900ドル前後で、日本からの購入も可能です。グラフィットは2017年9月に自転車と電動バイクが切り替わる「GFR」を発売して大成功を収め、2018年12月にはヤマハ発動機とも資本業務提携を結ぶなど、その技術力は折り紙付きと言えます。
個人的には、こうした手軽なモビリティが普及することで、地方都市の交通課題が大きく解決へ向かうのではないかと期待しています。自動車だけに頼らない生活圏が広がることは、環境面や地域の活性化にとっても非常に有意義なはずです。2019年11月からは和歌山市と共同で車道以外を走らせる実証実験も始まっており、この「LOM」が観光地でのシェアリングサービスなどと融合すれば、私たちの旅や日常の移動はもっと自由で楽しいものになるでしょう。
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