【投信トレンド】投資信託の資金流出が止まらない?2019年12月の国内株利益確定売りと注目のREIT・バランス型ファンドの動向を徹底解説!

投資信託市場で今、気になる変化が起きています。QUICK資産運用研究所の発表によると、購入された金額から解約された金額を差し引いた市場全体の資金動向は、2019年12月20日で1590億円の流出超過となりました。これで3カ月連続のマイナスとなり、市場からお金が抜けている状態が続いています。このニュースに対しSNSでは「株高だからこそ賢く利益を確定させている人が多いのでは」といった、投資家たちの冷静な判断を称賛する声が多く上がっているのが印象的です。

この動きの背景には、米中両国が貿易交渉において「第1段階の合意」に達したニュースがあります。これにより先行きへの不安が和らぎ、日経平均株価が高値圏で推移することとなりました。株価が上がったタイミングを見計らい、国内株式型や新興国株式型の投資信託で、値上がり益を確定させるための売却が相次いだ模様です。投資の世界では、利益が出ているうちに売却して現金化することを「利益確定売り」と呼びますが、まさにその教科書通りの動きが市場全体で一斉に巻き起こったと言えるでしょう。

特に国内株式型の投資信託からは3048億円もの資金が流出し、4カ月連続のマイナスを記録しています。これは前月の3211億円に迫るほどの非常に高い水準です。個別の商品名を見てみると、個人投資家から絶大な人気を誇る「ひふみプラス」や、市場平均に連動する「日経225ノーロードオープン」といった有名なファンドからの解約が目立っています。愛着のあるファンドであっても、株価のピークを見極めて一度利益を手元に確保しようとする、現代の投資家たちの機敏なフットワークが窺えます。

2019年の1年間を通してみると、国内株式型は約1兆3500億円の流出超過となり、過去5年間で最も大きな流出規模を記録しました。日経平均株価がこの1年で18%も上昇したため、投資家が利益を確定させたいという衝動に駆られるのは当然の流れだったと考えられます。専門家も、年間を通じて個人投資家が利益を確定させる売りを出し続ける傾向が続いたと分析しています。利益を欲張らずに確実なものとする姿勢は、不確実な現代を生き抜く投資戦略として非常に賢明な判断です。

一方で、新興国株式型のファンドからも729億円の資金が流出し、これで1年4カ月連続のマイナスとなりました。具体的には「野村インド株投資」などからの換金売りが目立っています。成長性が期待される新興国ですが、足元では経済減速への懸念が根強くくすぶっていることから、リスクを避けるために一度資金を引き揚げる動きが強まったようです。このように、市場のムードや世界情勢のわずかな変化を察知して、投資家たちは絶えず自身のお金の置き場所を最適化していることが分かります。

その一方で、明るい兆しが見えるのが先進国株式型のファンドです。2019年12月は米国のダウ工業株30種平均が過去最高値を塗り替える日が相次ぎ、これを受けて資金流入へと転じました。米国経済の底堅さを背景に、主要な株価指数が今後もさらに上昇するという期待感が強く、関連する投資信託にお金が集まりやすくなっています。個別では、定期的な分配金が魅力の「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド」などが人気を集めており、世界最強の米国市場への信頼の厚さが浮き彫りとなりました。

さらに、今回の市場動向で私が注目したいのは不動産投資信託である「REIT(リート)」を組み込んだ商品です。多くの投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設などの不動産を購入し、その賃料収入などを投資家に配分する仕組みの金融商品ですが、国内REIT型は92億円の流入超過となりました。前月は1年ぶりに資金が流出へと傾いたものの、高い分配金利回りや将来的な値上がり期待が根強く、再び買い戻される結果となっています。安定したインカムゲインを狙う動きは健在です。

また、海外の不動産を対象とした海外REIT型も616億円のプラスとなり、これで6カ月連続の資金流入を記録しました。さらに安全資産とされる国内債券型も422億円の流入超過となり、その金額は1年3カ月ぶりの高水準に達しています。株高による利益確定で得た現金を、ただ眠らせておくのではなく、比較的安全で利回りが期待できるREITや債券へと上手に循環させている様子が見て取れます。これこそが、資産を減らさずに守りながら増やす、理想的な分散投資の実践です。

最後に、株式や債券など複数の金融商品にバランスよく投資する「バランス型」のファンドは、個人の根強い人気に支えられて8カ月連続の流入超過となりました。2019年の年間では約9100億円の資金が流入しており、前年の約1兆3500億円よりは減少したものの、依然として高い水準を維持しています。投資信託市場全体では解約が先行しているように見えますが、中身を紐解けば、投資家たちが相場の過熱感を警戒しつつ、賢くポートフォリオを組み替えている健全な姿が見えてくるでしょう。

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