北海道を拠点に地域密着型の展開を続けるサツドラホールディングスが、2019年12月20日に発表した2019年6月から11月期の連結決算は、多くの投資家や市民に驚きを与えました。最終損益が1億8800万円の赤字という、前年同期の黒字から一転した厳しい数字が並んだのです。このニュースに対しSNSでは「サツドラ頑張れ!」「観光地で見かけなくなったのが原因か」といった、地元企業の苦境を案じる声が多く寄せられています。
売上高自体は450億円と、前年比で8%もの成長を遂げている点は注目に値するでしょう。特筆すべきは、私たちの生活を支える国内向けの既存店が非常に手堅く推移していることです。地域住民に必要とされるインフラとしての役割を十分に果たしている様子がうかがえます。しかし、そのポジティブな側面を打ち消してしまったのが、札幌市中心部や観光地に位置する、インバウンド(訪日外国人客)向け店舗の急激な失速でした。
インバウンド需要の冷え込みと戦略の転換
ドラッグストア事業の売上高の約1割を占めていた訪日客向け店舗は、現在、極めて厳しい逆風にさらされています。日韓関係の悪化による観光客の減少や、中国政府による転売規制の強化が、ダイレクトに利益を圧迫した形です。ここで言う「規制強化」とは、中国の電子商取引法によって個人輸入の取り締まりが厳しくなったことを指し、大量買いを行う代理購入者が激減したことが、大きな痛手となったのでしょう。
こうした情勢を鑑み、同社は2020年5月期の通期最終損益を1億5000万円の赤字へと下方修正しました。当初は1億円の黒字を見込んでいただけに、経営陣の苦渋の決断が感じられます。しかし、私はこの判断を決して悲観的なものだけとは捉えていません。売上高目標を891億円に引き下げる一方で、営業利益については前期比40%増の6億円を見込むという、攻めの姿勢を崩していないからです。
この利益増を実現するための鍵は、徹底した「効率化」にあります。新規出店計画の精査や、店舗の運営コストである人件費・販管費(販売費及び一般管理費)の抜本的な見直しを行うことで、体質改善を図ろうとしています。地域に根ざした「サツドラ」というブランドが、インバウンド依存から脱却し、真に持続可能なビジネスモデルへと進化できるのか、今まさにその正念場を迎えていると言えるでしょう。
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