ビール業界に激震が走っています。国内大手3社の2019年12月期決算は、残念ながら揃って減益となる見通しが強まりました。このニュースに対しSNSでは「今年の夏は確かに涼しかったから納得」「推しの銘柄には頑張ってほしい」といった、消費者のリアルな実感がこもった声が次々と上がっています。
今回、各社の業績を押し下げた最大の要因は、飲料の書き入れ時である夏場の天候不順です。特に2019年7月の長雨は、喉を潤す一杯を求める消費者の足を鈍らせてしまいました。また、アサヒグループホールディングスにおいては、500億円から600億円規模という巨額の為替差損が大きな重荷となっています。
ここで言う「為替差損」とは、円高・ユーロ安が進むことで、海外で稼いだ利益を日本円に換算した際に目減りしてしまう現象を指します。グローバル展開を加速させる企業にとって、自分たちの努力だけではコントロールしきれない外部環境の変化は、非常に頭の痛い問題だと言えるでしょう。
苦境の中に見える各社の戦略と2020年への希望
サッポロホールディングスも同様に長雨の影響を受けていますが、同時に将来を見据えた「構造改革費用」を積み増しています。これは不採算部門の整理や組織の合理化など、会社を筋肉質な体質に変えるための先行投資であり、短期的な利益を削ってでも未来の成長を優先する決断です。
一方、キリンホールディングスは「午後の紅茶」などの新製品がヒットし、飲料部門では長雨のダメージを最小限に食い止めました。しかし、オーストラリア子会社における「減損(資産の価値が低下した分を損失として計上すること)」が尾を引いており、最終的な数字には厳しさが残る結果となっています。
私個人の意見としては、今回の減益はあくまで一過性の要因が強く、過度に悲観する必要はないと考えています。むしろ、アサヒが2019年7月に発表したオーストラリア事業の買収完了が、2020年12月期の連結決算に寄与することで、業界全体のムードは一気に明るく反転するはずです。
日本を代表する文化であるビール業界が、2020年に向けてどのような攻勢をかけるのか、今後の動向から目が離せません。厳しい環境下でこそ、消費者の心を掴む次なる一手が生まれるものです。来年は五輪イヤーという追い風もあり、各社のV字回復を願わずにはいられません。
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