男子スキージャンプ界のエース、小林陵侑選手に最高の笑顔が帰ってきました。2020年1月19日に開催されたスキーワールドカップ(W杯)の個人第14戦で、見事な空中戦を披露したのです。前年の12月29日に行われた第8戦での優勝以降、惜しくも表彰台を逃し続けていた小林選手ですが、6試合ぶりにトップ3へと返り咲きました。
今回の試合は「ラージヒル」という、ヒルサイズが110メートルから145メートル未満に設定された大型のジャンプ台で行われました。風の影響を受けやすい競技ですが、この日はほぼ無風という公平な条件に恵まれます。その中で小林選手は、2本とも140メートルに迫る圧巻の大飛躍を揃え、会場に集まった1万人近い観衆を大いに沸かせました。
試合後のインタビューで「ラージヒルは楽しかった」と少年のような笑みを浮かべた姿が印象的です。SNS上でもファンから「やっぱり陵侑のビッグジャンプは最高!」「ラージヒルでの安定感が半端ない」といった歓喜の声が溢れており、多くの人がこの復活劇を待ち望んでいたことが分かります。
実は、2020年1月11日と1月12日に開催された過去2戦では、ジャンプ台のトラブルにより、一回り小さな「ノーマルヒル」で急遽試合が行われていました。小林選手はそこで26位、25位と一時的に大きく順位を落としていたのです。欧州以外の選手で史上初となるW杯個人総合王者に輝いた彼だからこそ、周囲の期待や自身へのプレッシャーは計り知れません。
結果が出ない時期について本人は「ショックだった」と本音を漏らしつつも、実は冷静に状況を見極めていました。自分が少し苦手とするノーマルヒルに、あえて照準を合わせる気がなかったと明かしています。これは、目先の勝敗にとらわれず、本来の武器であるラージヒルでの一撃に全てをかけるという、王者の大局的な戦略だったと言えるでしょう。
その言葉通り、2020年1月17日の予選から素晴らしい飛びを見せており、好調をキープし続けていたことを自らの実力で証明しました。私自身、このブレない芯の強さとマインドセットこそが、彼を世界のトップに君臨させ続ける最大の理由だと強く感じます。一度の不調で崩れない精神力は、まさに規格外です。
表彰台という輝かしい結果を手にした今、小林選手はすでに次の一歩を見据えています。「助走路の姿勢が決まらないので、ビデオを見て修正する」と、貪欲に課題を口にしていました。この飽くなき向上心がある限り、ここからさらに勢いを加速させてくれるに違いありません。異次元の強さを誇る王者の、今後の快進撃から目が離せません。
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