初夢の秘密!江戸っ子が愛した「宝船七福神」の浮世絵に見る究極の開運パワーと現代の反響

新しい年を迎えると、誰もが素晴らしい一年のスタートを切りたいと願うものでしょう。そんな新春の喜びを倍増させてくれる特別な浮世絵が、いま大きな注目を集めています。太田記念美術館の主幹学芸員である渡邉晃氏が紹介する、溪斎英泉らが手掛けた「宝船七福神」です。この作品には、現代を生きる私たちの心をもワクワクさせる、おめでたい仕掛けが画面いっぱいに詰め込まれています。

画面の主役に君臨するのは、大波をかき分けて進むにぎやかな宝船と、そこに乗り込んだお馴染みの七福神です。船の先端である舳先には力強い龍の彫刻が施されており、中央では満面の笑みを浮かべた恵比須様が立派な鯛を抱えています。さらに視線を移すと、水平線の左側からは神々しい初日の出が昇り、右側には雄大な富士山がそびえ立っているのです。

これだけでも豪華ですが、空には優雅に飛翔する鶴、海中には長寿の象徴である霊亀まで描かれています。まさに正月の縁起物をこれでもかと凝縮した、究極の開運ビジュアルと言えるでしょう。SNS上でも「これを見ているだけで運気が上がりそう」「お正月のワクワク感が現代まで伝わってくる」といった、絶賛の声が相次いで寄せられています。

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江戸のトレンド!初夢をプロデュースした宝船の絵

現代の私たちは元日の朝に初夢を話題にしがちですが、江戸時代の人々は1830年から1844年ごろにかけて、少し異なる風習を楽しんでいました。彼らは1月2日の夜、まさにこの宝船が描かれた絵を枕の下に敷いて眠りにつき、素晴らしい初夢が見られるようにと祈ったのです。もともとは大晦日から元日にかけて見る夢を指していましたが、夜更かしが増えたことで変化したと言われています。

1月1日の元旦を迎えると、江戸の町には「お宝、お宝」と威勢の良い宝船売りの声が響き渡りました。人々は競うようにしてその絵を買い求め、新年の幸福を願ったとされています。このような庶民のエネルギーや、遊び心を忘れないライフスタイルは、とても粋で魅力的です。現代の私たちも、こうした心の余裕を見習いたいものですね。

今回ご紹介している作品は、当時のトップクリエイターである溪斎英泉、歌川国貞、歌川国芳の3人が奇跡のコラボレーションを果たした傑作です。これは「大判錦絵三枚続」と呼ばれる、大型のカラー木版画を3枚繋げた非常に贅沢な構成となっています。専門用語である「錦絵」とは、多色摺りの美しい浮世絵版画のことで、当時の最先端技術が生んだアートです。

各ページに絵師たちのサインである落款が残されているため、彼らが役割を分担して1つの大作を創り上げたことが分かります。これほど豪華な仕様であることから、実際は枕の下に敷くのではなく、お部屋に飾る観賞用だったと推定されるのです。天才たちの競演が生み出した華やかな熱量は、令和の時代になっても色褪せることなく、私たちの心を魅了し続けています。

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