公営ギャンブルの世界を揺るがす前代未聞の不祥事が発生しました。2020年1月29日、ボートレースの順位を故意に操作したとして、元レーサーの西川昌希容疑者がモーターボート競走法違反の疑いで名古屋地検特捜部に再逮捕されたのです。見返りとして受け取った現金は、なんと約3400万円に上ると見られています。現役時代には華々しい活躍を見せていたトップ選手によるこの裏切り行為に、多くのファンが言葉を失っています。
日本モーターボート競走会の発表によると、西川容疑者は2019年1月からの9ヶ月間で、合計203レースに出走していました。そのうち、不正が疑われているのは約1割に該当する20レースに及びます。すでに2019年7月2日に滋賀県大津市のびわこ競走場で行われた2つのレースを巡って起訴されていますが、さらに全国9都府県、10箇所の競走場で行われた18レースでも順位操作を行った疑いが浮上している状況です。
今回の不正発覚の決定打となったのは、西川容疑者の親族であり、報酬を渡したとして再逮捕された会社員の増川遵容疑者のスマートフォンでした。その端末には、事前に順位操作の打ち合わせを行っていた緊迫のやり取りが克明に残されていたのです。西川容疑者本人は現在、黙秘を続けているものの、増川容疑者は容疑を認める供述を始めており、事件の全貌解明に向けた捜査は着実に進展している模様です。
巧妙なスマホ隠密持ち込みと公営競技の課題
ボートレースでは公平性を保つため、選手はレース開催日の前日に「宿舎入り」をします。その際、外部との接触を断つために通信機器を預ける厳しい規則が存在するのです。しかし西川容疑者は2台のスマホを用意し、1台だけを提出してもう1台を隠し持つという手口を使っていました。そして、無料通信アプリ「LINE」で外部と連絡を取り合っていたのです。このセキュリティの盲点を突いた巧妙な手口には驚きを禁じ得ません。
ここで注目したい「モーターボート競走法」とは、レースの公正な運営とファンの信頼を守るための法律です。今回のような順位操作は、いわゆる「八百長」であり、公営競技の根幹を揺るがす重大な犯罪行為と言えます。インターネット上のSNSでもこの事件は瞬く間に拡散され、「真面目に走っている他の選手に失礼だ」「舟券を買っていたファンを愚弄している」といった、怒りと失望が入り混じった声が数多く寄せられています。
私は今回の事件について、個人のモラル欠如はもちろん、業界全体の管理体制にも大きな問題があったと感じています。ファンはお金を賭けて真剣勝負を楽しんでいるのであり、そこに不正が介入する余地があっては絶対になりません。預ける際のチェック体制をより厳格化するなど、再発防止に向けた抜本的な改革が必要です。信頼を回復するためには、すべての膿を出し切る徹底的な調査が求められるでしょう。
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