インフラ業界を取り巻く環境に、今まさに厳しい自然の試練が突きつけられています。西部ガスが2020年1月29日に発表した決算は、多くの関係者に驚きを与えました。なんと2020年3月期の連結純利益が、前年度に比べて5%も減少する見通しとなったのです。当初は9%の増益を見込んでいただけに、この突然のブレーキは市場に大きな衝撃をもたらしています。
この業績失速の最大の引き金となったのが、私たちの記憶にも新しい「気候の気まぐれ」です。昨年の夏は思いのほか気温が上がらず、さらにこの冬は記録的な暖冬が続いています。部屋を暖める床暖房などのガス消費が劇的に落ち込んでおり、同社の道永幸典社長も、これからの需要回復は極めて厳しいという見解を示しました。自然を相手にするビジネスの難しさが浮き彫りになっています。
さらに、ガス事業を補うはずの新電力や不動産といった多角化ビジネスでも、顧客を獲得するための広告宣伝費がかさんでおり、収益を圧迫している状況です。売上高自体は微増しているものの、利益が残りにくい体質へと陥っています。企業の成長期には仕方のない投資かもしれませんが、本業の落ち込みと重なったことで、利益を大きく削る要因になってしまいました。
そして、今回の発表で最も世間を賑わせているのが、福岡市にある常設スケートリンク「パピオアイスアリーナ」の経営見直しに関するニュースです。業績の立て直しを図る一環として、2021年3月にも営業を終了する可能性が示唆されました。この突然の報道に、SNS上では地元のファンやスケート関係者から悲痛な叫びや、存続を願う声が次々と上がっています。
地域に愛されたスポーツ拠点が消えるかもしれないという衝撃は、業績悪化という数字以上の重みを持って受け止められているようです。企業が利益を追求する中で、文化的なインフラをどう守っていくのかは非常に難しい課題と言えます。時代の荒波を乗り越えるために、西部ガスが今後どのような次の一手を打つのか、その経営手腕に大きな注目が集まるでしょう。
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