2020年2月1日現在、世界的に大きな不安が広がっている新型肺炎の問題は、日本の製造業にも深刻な影を落としています。文具や電動工具で知られるマックス株式会社の北谷明雄執行役員は、決算トークの場において、中国広東省にある同社工場の現状を明らかにしました。現在、この工場では複写機向けのホチキス生産が行われていますが、事態の深刻化を受けて操業停止を余儀なくされています。
この工場の稼働状況は、中国の伝統的な大型連休である「春節」と、急速に拡大する新型肺炎の影響をダイレクトに受けています。経済の停滞もさることながら、製造業にとって最も頭の痛い問題は「人」の確保です。北谷執行役員は、生産再開への意欲を見せつつも、中国国内で実施されている厳しい移動制限が、現場の復旧にどれほどの影響を及ぼすか、深い懸念を吐露しました。
「戻れない従業員」と企業が直面する苦悩
SNS上でもこの話題については「物流だけでなく、人の移動が制限されるとサプライチェーン(製品の供給網)は即座に麻痺する」「現地の従業員が無事であってほしい」といった共感や不安の声が相次いでいます。特に工場勤務の従業員たちが、春節で帰省したまま自宅待機や移動規制によって職場へ戻れないという状況は、まさに企業の生産計画を根底から揺るがす事態といえるでしょう。
私が考えるに、今回のケースは単なる業績悪化の問題ではありません。北谷氏が「健康に関わるだけに無理は強いられない」と語った通り、従業員の安全と健康という「人命」の尊厳が、利益追求という企業の論理よりも上位にあるべきだという現代的な課題を突きつけています。この難局に対し、どのような柔軟な対応策を見いだせるかが、グローバル展開する企業の真価を問う基準になるのではないでしょうか。
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