2020年2月1日現在、北海道の人口動態に注目すべき変化が訪れました。総務省が2020年1月31日に発表した「住民基本台帳人口移動報告2019年結果」において、北海道の転出超過数が前年と比較して646人縮小し、5568人となったのです。転出超過とは、県外へ転出する人数が県内へ転入する人数を上回る状態を指します。2年ぶりの改善であり、改善幅は全国で最大を記録しました。この数字は、北海道という広大な地が抱える人口減少問題に対し、わずかながらも前進の兆しが見えたことを示唆しているのでしょう。
北海道の鈴木直道知事は、この結果を受けて同日に開かれた記者会見で、転出を抑制する既存の取り組みに加え、地域と多様に関わる「関係人口」を増やすことの重要性を強調しました。関係人口とは、移住した「定住人口」でも観光に来た「交流人口」でもない、地域と継続的かつ多様に関わる人々のことを指します。人口減という構造的な課題に立ち向かうには、この新しい概念が鍵を握ると確信させられます。SNSでも「減少幅が縮小したのは明るいニュース」と前向きな評価が並び、多くの道民がこの動向に希望を見出しています。
札幌市へ集中する「転入超過」の波
ただし、その中身を紐解くと、北海道内での二極化が浮き彫りになります。道内の全179市町村のうち、転入者が転出者を上回る「転入超過」を達成したのは、札幌市を含むわずか14の自治体にとどまりました。特に札幌市の独壇場といえる状況で、転入超過数は9812人に達し、比較可能な2014年以降で最大の数字を記録しました。これは全国の市町村の中でも6番目の規模であり、札幌市がいかに強力な吸引力を持っているかが理解できます。
特筆すべきは、札幌市には高齢層だけでなく、若年層や子育て世代も惹きつける魅力があるという点です。65歳以上の転入超過数は全国1位、0歳から14歳までの子供も全国2位、そして経済の担い手である15歳から64歳の生産年齢人口でも全国7位を誇っています。江別市や恵庭市がそれに続く形となりましたが、札幌市への集中傾向は依然として強く、他の自治体がどのように地域資源を活かし、独自の魅力を打ち出していくかが今後の大きな課題といえるのではないでしょうか。
外国人労働者が支える北海道の産業の現在地
一方で、労働力不足を補う存在として、外国人労働者の活躍が目立っています。厚生労働省が2020年1月31日に発表した2019年10月末時点のデータでは、北海道の外国人労働者数は2万4387人に達し、前年同月比で16%もの増加となりました。事業所数も過去10年間で3.2倍にまで膨れ上がっており、社会のグローバル化が北海道の隅々まで浸透している様子がうかがえます。
業種別では、製造業が全体の約3割を占める大黒柱となっていますが、卸売・小売業や教育・学習支援業、建設業など、幅広い分野で外国人材が欠かせない存在となっています。特に注目したいのは、全在留資格に占める「技能実習」の割合が53.1%と、全国平均の23.1%を大きく上回っている点です。これは北海道が技能実習生という労働力に支えられている現実を象徴しています。彼らが安心して長く働き続けられる環境を整備し、真の多文化共生社会を実現することこそが、今後の北海道の持続可能な発展を左右するはずです。
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