2020年2月5日の東京外国為替市場において、円相場は下落するという動きを見せました。投資家の関心は、世界的に感染拡大が懸念されている新型肺炎へと向いています。中国政府が景気の下支えを目的とした経済対策に乗り出すのではないか、という期待感から株価が上昇する局面がありました。株式市場が活況となると、いわゆる「リスクオン(積極的な投資)」の姿勢が強まり、安全資産とされる円が売られるという傾向が鮮明になります。
一般的に、金融市場において日本円は「低リスク通貨」として認識されています。これは、経済的な不安や政治的危機が発生した際に、投資家が手持ちの資産をより安全な通貨へ移そうとする「リスクオフ」の動きが起きると、日本円が買われやすくなるからです。しかし、今回はその逆の現象、つまり市場が楽観的なニュースに反応して株を買う動きを見せたことで、相対的に円が手放される形となりました。
市場の動向と輸出企業の攻防
とはいえ、一方的に円安が進行したわけではありません。市場の動きを詳細に見てみると、国内の輸出関連企業による円買い注文が入り、為替の下げ幅が縮小する場面も確認されています。輸出企業にとって過度な円安は輸入コストの増加などデメリットも存在しますが、円相場の急激な変動は経営計画を立てる上でのリスクになります。そのため、相場の急変時にはこうした実需に基づいた取引が防波堤の役割を果たすのです。
この日の市場取引(12時時点)では、ドル円相場は1ドル=109.44~109.45円となり、前日と比較して51銭の円安となりました。また、ユーロ円は1ユーロ=120.76~120.77円で40銭の円安、ユーロドルも1ユーロ=1.10340~1.10345ドルという結果です。SNS上でも「株と為替の逆相関が強まっている」「肺炎のニュースが経済政策への期待を上回るのか」と、今後の経済動向を危惧する声が多くあがっています。
私個人としては、新型肺炎という未曾有の事態に対して、市場がこれほどまでに経済対策という「期待」を原動力に株を買うことに驚きを感じています。投資の世界では期待が先行しがちですが、実体経済への影響を見極めるには、慎重な分析が必要です。株価の上昇が持続的なのか、それとも一時的なのか、慎重に見守る必要があるでしょう。
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