トランプ氏も豪語する米国の「超・売り手市場」が変える常識!JPモルガンが踏み出す「犯罪歴のある人材」採用への挑戦と社会的意義

2019年11月12日の米株式市場において、ダウ工業株30種平均は2万7691ドル49セントと前日並みの水準で取引を終えました。同日、ニューヨークでマイクを握ったトランプ大統領は、約50年ぶりという歴史的な低失業率を背景に、現在の米国経済がいかに強固であるかを高らかに宣言しています。特に人種や性別を問わず雇用が拡大している現状は、社会の隅々にまで景気回復の恩恵が及んでいる証拠といえるでしょう。

この「超・売り手市場」は、企業にとって深刻な人手不足という悩みをもたらす一方で、これまで労働市場から疎外されてきた人々へ光を当てるきっかけにもなっています。その最前線に立っているのが、金融界の巨人、JPモルガン・チェースです。彼らは今、犯罪歴を持つ人々の社会復帰を支援する「第2のチャンス」プロジェクトを強力に推進しており、2018年だけでも2100人もの対象者を採用したと公表し、世間を驚かせました。

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「Ban the Box」運動が変える採用の常識と経済効果

米国では今、「Ban the Box(バン・ザ・ボックス)」という運動が大きなうねりを見せています。これは採用選考の初期段階で、応募書類にある犯罪歴の有無を問うチェックボックスを廃止しようという動きです。背景には、一度の過ちで社会から完全に遮断される不条理を解消し、公平な競争環境を整える狙いがあります。既にカリフォルニア州など30以上の州で法制化が進んでおり、企業の採用スタイルは根本から見直されつつあります。

JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOは、前科を持つ人々へステップアップの機会を提供することが、再犯防止だけでなく、企業にとっても優秀な才能を確保する手段になると確信しています。実際に同社は、シカゴやニューヨークなどの都市で職業訓練を行う組織に対し、約8億円という巨額の投資を決定しました。これは単なる慈善事業ではなく、経済をより強固なものにするための戦略的な投資であると評価できるでしょう。

SNS上ではこの取り組みに対し、「過去ではなく今の実力を見るべきだ」という称賛の声が上がる一方で、「金融機関としてセキュリティは大丈夫なのか」といった慎重な意見も飛び交っています。しかし、米国全体で約500万人ともいわれる犯罪歴保持者の失業率は、一般の5倍以上に達しているのが現状です。この層が経済の担い手として復帰することは、社会保障費の削減や納税者の増加という形で、国全体に計り知れない利益をもたらします。

もちろん、現場の懸念も無視できません。一部の企業からは、安全面のリスクや既存従業員の心理的な抵抗感を不安視する声も漏れ聞こえてきます。しかし、人手不足を理由にした「消極的な採用」で終わらせるのではなく、多様性を受け入れ、教育体制を整えることで組織を活性化させる「積極的な投資」へと昇華させられるかが鍵となります。ウォール街の盟主が動いた今、企業の社会的価値を問う新たな時代が幕を開けています。

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