2020年2月5日現在、事務機大手のリコーが発表を控えている2019年4月1日から12月31日までの連結業績速報が、市場で大きな注目を集めています。今回の速報値では、営業利益が前年同期比で1割程度の減益となる700億円強に留まる見通しです。一見すると業績悪化のように映るかもしれませんが、この数字の裏側には、企業の真の実力を示す興味深いドラマが隠されています。
SNS上でも「減益でも実態は増益なのでは?」「構造改革の進捗が気になる」といった、冷静かつポジティブな分析を行う投資家たちの声が散見されます。表面的な数字に惑わされず、リコーが現在どのような変革期にあるのかを読み解こうとする姿勢が、多くの読者の共感を呼んでいるようです。
構造改革で見えた「稼ぐ力」の正体
今回の決算で特筆すべきは、主力のオフィスプリンティング事業が、採算を重視して値引き販売を抑えた結果、販売台数を減らしている点です。これは単なる販売不振ではなく、利益率を重視する戦略的な舵取りと言えるでしょう。実際に、為替の影響や一時的な売却益の剥落を除いて計算すれば、本業ベースでは1割強の増益を達成しています。
また、PCの基本ソフトである「ウィンドウズ7」のサポート終了に伴うIT機器の更新需要が、オフィスサービス事業を大きく押し上げました。これは、リコーが単なる複写機メーカーから、企業のITインフラを支えるパートナーへと着実に進化している証拠です。このトレンドは、今後もデジタル化が進む社会において、同社の成長エンジンであり続けるはずです。
為替の逆風を跳ね返すための次なる一手
一方で、今回の利益を押し下げた主因は、円高・ユーロ安による為替差損です。1ユーロあたり約8円の円高という環境は、グローバル企業にとって避けられない壁となります。しかし、2018年3月期から継続している人員削減や拠点整理といった構造改革により、リコーは固定費を削減し、少ない売上でも確実に利益を捻出できる体質へと生まれ変わりました。
私個人としては、目先の市場予想に届かない数字に一喜一憂するのではなく、この構造改革による利益体質の向上こそを評価すべきだと考えます。2020年2月7日に予定されている決算発表では、通期計画である営業利益1000億円の達成に向けた、より詳細で力強い経営陣の言葉に期待したいところです。
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