2020年1月21日、東京都千代田区の帝国ホテルにて、惜しまれつつこの世を去ったプロ野球界の至宝・金田正一さんのお別れの会が執り行われました。国鉄スワローズ(現ヤクルト)や巨人で、不滅の記録といわれる通算400勝という前人未到の金字塔を打ち立てた「史上最高の左腕」の最後を見送ろうと、球界関係者や著名人など約500人が会場に集結しました。
会場には、野球のグラウンドをイメージした祭壇が設けられ、2009年5月24日に神宮球場で始球式に臨んだ際、力強いフォームで投球する金田さんの遺影が静かに微笑んでいました。かつて「カネやん」の愛称で多くの野球ファンを熱狂させたその雄姿に、SNS上でも「昭和の野球界を支えた巨人がまた一人逝った」「400勝という数字は一生塗り替えられることはないだろう」といった、往時の活躍を懐かしみ感謝を伝える声が溢れています。
時代を築いた盟友たちが語る「プロの洗礼」
お別れの会では、長年にわたり球界を牽引したレジェンドたちが、それぞれの想いを語りました。中でも印象的だったのは、長嶋茂雄さんが寄せた弔電です。1958年のデビュー戦で金田さんの前に4打席連続三振という苦杯をなめた長嶋さんは、「あの洗礼こそが、野球人としての人生の始まりだった。偉大な投手と同じ時代を駆け抜けられたことに深く感謝している」と、敬意を表しました。
また、巨人の原辰徳監督は、自身の野球人生において神様のような存在であった金田さんからの教えを、未来の世代へ継承していくことを誓いました。張本勲氏も「今後100年、200年経っても彼のような投手は二度と現れないだろう」と、その唯一無二の存在感に惜別の念を隠せない様子でした。偉大な才能が残した功績は、現代の選手たちにも確かな刺激として受け継がれています。
受け継がれる優勝への熱き魂
金田さんは選手としてだけでなく、指導者としても大きな足跡を残しました。1973年から就任したロッテの監督時代には、翌1974年にリーグ優勝と日本一の栄冠をチームにもたらしています。現在、ロッテの指揮を執る井口資仁監督は、金田さんの偉業を称えつつ、「監督の優勝以来、成し遂げられていない勝率1位での優勝を、今年こそ達成したい」と、強い決意を新たにしました。
かつて私が野球少年だった頃、テレビ越しに見た金田さんの豪快なピッチングは、今も鮮明に心に焼き付いています。単なる数字の記録以上に、周囲を惹きつける圧倒的な人間力こそが彼の最大の魅力だったのではないでしょうか。お別れの会の最中には、故人をしのぶ多くのファンも駆けつけました。時代の変わり目に一つの大きな歴史が幕を閉じましたが、その魂はこれからも日本の球界の中で輝き続けるはずです。
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