2020年1月21日、安倍晋三首相は国会で施政方針演説を行いました。本年は半世紀ぶりにオリンピック・パラリンピックが日本に帰ってくる記念すべき年です。演説では、1964年の東京大会で最終ランナーを務めた坂井義則さんの走りが、戦後復興から高度経済成長へ進む日本の自信となった歴史が振り返られました。当時の感動を再び全国で共有し、国民が一丸となって新しい令和の時代を切り開こうという強いメッセージが発信されています。この前向きな姿勢に対し、SNS上では「経済や社会保障の具体的な進展に期待したい」といった応援の声が上がる一方で、「課題の解決を確実に見届ける必要がある」という冷静な意見も寄せられ、大きな反響を呼んでいます。
福島から世界へ届ける「復興五輪」の確かな歩み
2020年の聖火リレーは、福島のJヴィレッジから出発します。かつて原子力発電所の事故対応拠点だった場所が、現在はサッカーの聖地へと生まれ変わり、子どもたちの笑顔で満ち溢れています。2020年3月にはJR常磐線が全線開通し、双葉町などの避難指示も一部解除される予定です。浪江町では世界最大級の水素製造施設が本格稼働し、クリーンエネルギーで走る自動車が大会を支えます。東北への外国人観光客も震災前を大きく上回る規模へ増加しました。私たちは、困難な時に手を差し伸べてくれた世界への感謝を忘れず、復興の歩みを力強く発信していく責任があります。長年続いてきた被災地支援への恩返しとして、世界を温かく迎え入れる体制が整いつつあるのは素晴らしいことではないでしょうか。
地方の魅力を世界へ!観光と農業で挑む地方創生
本年は約500の自治体がホストタウンとなり、伝統文化を世界に発信する「日本博」が開催されます。地方での移動手段を確保するため、自家用車を活用した有償運送サービスの規制緩和も実施される見込みです。また、アジアの玄関口として期待される那覇空港では、2020年3月に第2滑走路の供用が始まります。海外市場への挑戦も順調で、EU向けの牛肉やコメの輸出が約3割増加したほか、アジアで大人気のさつまいも「紅はるか」は4割以上も輸出が伸びました。これに伴い、政府は生産基盤を強化するための予算を確保し、ブランド農産物の海外流出対策や家畜伝染病の検疫強化に乗り出します。地方が自立して輝くことで、日本全体の経済がより一層活性化していくに違いありません。
中小企業の事業承継とデジタル技術がもたらす革新
地域経済を支える中小企業において、経営者の高齢化に伴う事業承継は一刻を争う課題となっています。若者の挑戦を阻んできた「個人保証(経営者が会社の借金を個人で連帯保証する慣行)」の壁を取り払うため、2020年4月からは後継者への二重取りを原則禁止する新制度が始まります。さらに、下請け取引の適正化を目指し、専門人材である「下請けGメン」を増員して厳しいチェック体制が敷かれます。デジタル分野では、第4次産業革命の波を捉えた規制改革が加速しています。2020年中に中山間地域での無人自動運転が解禁されるほか、人工知能によるデータ解析をリードするため、個人情報を保護しつつビッグデータを活用する仕組みが構築されます。若手研究者への投資やプログラミング教育の導入も進み、未来への基盤が着々と固められています。
誰もが安心できる「全世代型社会保障」への大転換
これまでの高齢者中心の仕組みから、子どもからお年寄りまで全員を支える「全世代型社会保障制度」への改革が本格化します。2020年4月からは高等教育の無償化がスタートし、私立高校の実質無償化も実現します。働き方改革においては、大企業で「同一労働同一賃金(同じ仕事に対して正社員も非正社員も同じ賃金を支給する原則)」が開始され、パートタイム労働者への厚生年金適用も段階的に拡大される見通しです。人生100年時代を迎え、働く意欲のある方が70歳まで活躍できる環境も整備されます。高齢化に伴う現役世代の負担増を抑えるため、75歳以上の一定以上の所得がある方を対象とした、医療費の窓口2割負担の導入検討など、能力に応じた負担への見直しが進められています。誰もが個性を生かし、互いを認め合える一億総活躍社会の実現こそが、私たちが直面する少子高齢化という大きな壁を乗り越える確かな鍵となるはずです。
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