台湾の航空業界に、今まさに新しい風が吹き荒れています。2020年1月23日、新興の航空会社である「星宇航空(スターラックス・エアライン)」が待望の運航を開始しました。SNS上では「デザインが格好良すぎる」「台湾旅行の勢力図が変わるかも」と、早くも大きな話題を呼んでいます。注目が集まる最大の理由は、大手のエバー航空を追われた創業家の四男、張国煒氏が立ち上げたというドラマチックな背景にあります。現地メディアが「王子のリベンジ」と報じるこの挑戦は、業界の勢力図を塗り替える可能性を秘めているのです。
張氏は、単に資金を出すだけの経営者ではありません。自らパイロット免許を持つ「空飛ぶ董事長(会長職に相当する役職)」として知られています。初日のマカオ便では自ら操縦桿を握り、亡き父への誓いをSNSに投稿して多くの感動を呼びました。かつてのお家騒動による失脚を乗り越え、自らの手で新たな航空会社を軌道に乗せようとする姿は、多くの人々の心を打っています。現在はマカオやベトナム、マレーシアへの路線を展開しており、2020年4月にはフィリピンのセブ線も加わる予定です。
さらに、日本の松山や北九州への就航も申請中で、2020年の夏頃には日本の空でもその姿が見られるかもしれません。台湾の航空界は長年、中華航空とエバー航空の2強が君臨し、下位の会社が経営難に陥る厳しい市場でした。しかし、星宇航空は格安航空会社(LCC)とは一線を画す「フルサービスキャリア」として勝負を挑みます。フルサービスキャリアとは、機内食や預け手荷物、座席モニターなどのサービスが運賃に含まれる従来の高品質な航空会社を指し、上質な旅を求める層の心を掴んでいます。
機内は全席にWi-Fiとモニターを完備しており、宇宙をイメージした銀色の美しい制服など、独自の高級感を演出しています。欧州エアバス社から巨額の投資で新品の機材を揃えるなど、その本気度は並大抵ではありません。私は、この圧倒的なこだわりこそが、既存の2強に割って入る強力な武器になると確信しています。現在は新型肺炎の感染拡大という試練に直面していますが、「私は既に王だ」と言い切る張氏の強いリーダーシップがあれば、この乱気流もきっと乗り越えてくれるでしょう。
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