かつてコンビニ業界で異彩を放っていた「am/pm」の伝説的なメニューが、ファミリーマートの舞台で見事に蘇りました。2020年2月9日現在、共働き世帯や単身者の増加に伴い、手軽に調理できる冷凍食品の需要が急激に高まっています。ファミリーマートで開発を担当する栗原栄員さんは、時代が求めるニーズを的確に捉え、過去の名作を現代版へと進化させました。この取り組みは瞬く間に話題となり、多くの注目を集めています。
栗原さんが蘇らせたのは、容器のまま温めてすぐに食べられる1食完結型の冷凍弁当シリーズです。「ピリ旨!スパイシージャンバラヤ」といった魅力的なラインアップが揃い、ファミリーマートにおける2020年1月の冷凍食品売上高は、前年の同じ月と比べて2割も増加するほどの驚異的なヒットを記録しています。SNS上でも「あの懐かしい味がまたお店で買えるなんて感動」「冷凍だからストックできて本当に便利」といった歓喜の声が溢れています。
この画期的な商品のルーツは、旧am/pmで親しまれていた「とれたてキッチン」にあります。これは注文を受けてから店員がレンジで温めて提供する画期的な冷凍弁当でした。1999年に入社した栗原さんにとって思い入れの深い商品でしたが、当時は常温の「中食(なべ物や弁当など、家庭外で調理された食品を自宅で食べること)」が全盛期であり、温めが必要な冷凍弁当は苦戦を強いられていたという歴史があります。
しかし現代では冷凍技術が飛躍的に向上し、美味しさと利便性を兼ね備えた冷凍食品への信頼感が高まりました。栗原さんは2018年秋から復活への挑戦を始めます。そこで立ちはだかったのが、店舗にある高出力な業務用電子レンジへの対応という壁でした。家庭用が500から600ワットであるのに対し、業務用は1600ワットに達するため、加熱にムラが生じたり容器が変形したりする課題が生じたのです。
栗原さんは具材の配置や量を徹底的に見直し、1種類につき50回以上のテストを繰り返しました。そして2019年9月24日、ついに念願の発売へと漕ぎ着けました。am/pm時代からのパートナー企業との絆があったからこそ、この技術的なブレイクスルーが実現したのです。かつての仲間やファンから届いた感謝の言葉に、栗原さんは深く胸を熱くしたといいます。
この冷凍弁当の真の価値は、美味しさだけでなく、現代の深刻な社会問題である「食品ロス(本来食べられるのに廃棄されてしまう食品)」の削減に直結する点にあります。賞味期限が長い冷凍食品は、販売期限に追われる常温の弁当に比べて廃棄を大幅に減らすことができます。いつでも好きな時に食べられる自由度の高さこそ、現代社会が求めていた究極の利便性だと言えるでしょう。
私たちは利便性を追求する一方で、多くの食品廃棄という矛盾を抱えてきました。この冷凍弁当の復活は、美味しさと環境配慮を両立させる素晴らしいイノベーションです。売り場にはまだまだ拡大の余地があり、冷凍できるものなら何でも形にできるという無限の可能性を秘めています。私たちの食生活をより豊かで持続可能なものへと変えるファミマの挑戦から、今後も目が離せません。
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