2019年10月に発覚し、日本中に大きな衝撃を与えた神戸市立東須磨小学校の教諭間いじめ問題。この深刻な事態の裏側で、また一つあまりにも痛ましい事件が起きてしまいました。2020年2月9日の早朝、神戸市教育委員会で会議の調整などに奔走していた39歳の男性係長が、兵庫県芦屋市内の橋から飛び降りて亡くなったのです。警察は現場の状況などから自ら命を絶ったとみており、当時の切迫した状況について慎重に調査を進めています。
芦屋警察署の発表によると、2020年2月9日の午前4時10分ごろ、男性係長の妻から「自宅に置き手紙があり、夫の姿が見当たらない」という緊迫した110番通報が入りました。残された手紙には、自死をほのめかす悲痛な文言が綴られていたそうです。通報を受けて捜索を開始した警察官たちが、午前6時15分ごろに「東灘芦屋大橋」の上でたたずむ男性係長を発見しました。しかし、署員が声をかけた瞬間に男性は突然走り出し、高さ約25メートルの壁を越えて落下してしまったのです。
男性係長はすぐに病院へ搬送されたものの、その後死亡が確認されました。警察側は「当時の対応に落ち度はなかった」と説明していますが、目の前で起きた突然の悲劇に現場は騒然としたことでしょう。彼が担当していたのは、あの凄惨な教諭いじめ問題における市教委内部の会議調整でした。関係各所との板挟みになりながら、想像を絶するほどの心理的プレッシャーを一人で抱え込んでいたのではないかと推測されます。
このあまりにショッキングなニュースに対し、SNS上では瞬く間に多くの反響が広がりました。「いじめの当事者ではなく、なぜ調整役に回されていた真面目な職員が命を落とさなければならないのか」「組織の隠蔽体質やトカゲの尻尾切りに利用されたのではないか」といった、市教育委員会に対する不信感や怒りの声が続出しています。また、残されたご遺族の痛みを思いやり、あまりの理不尽さに涙する投稿も少なくありません。
ここでいう「市教委(教育委員会)」とは、地域の教育に関する事務を司る行政機関のことです。本来は子どもたちが安心して学べる環境を守るための組織ですが、今回のいじめ問題では初期対応の遅れや不適切な身内かばいが激しく批判されていました。男性係長はその組織の「総務課」に所属しており、不祥事の火消しや連日の会議準備、さらには世間からの猛烈なバッシングの矛先に立たされ、精神的に限界を迎えていた可能性があります。
今回の悲劇に接し、私は組織の危機管理や労働環境のあり方に強い憤りを感じざるを得ません。問題の本質から目を背け、現場の特定の人間だけに重責やストレスを押し付ける構造は、決して許されるものではないでしょう。いじめを行った当事者たちの責任追及はもちろん不可欠ですが、それを支える周囲の職員のメンタルケアを怠った教育委員会の労働環境にも大きな問題があります。二度とこのような犠牲者を出さないよう、徹底的な組織改革を求めたいです。
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