総合商社の丸紅が、日本のものづくり現場を激変させる新たな一手を打ち出しました。同社は工場の生産ロボットや設備機器に向けて、独自の通信サービスを展開することを決定したのです。2020年2月中にも独自の「SIMカード」の発行をスタートし、最先端のスマート工場構築を強力にバックアップします。あらゆるモノがインターネットでつながる「IoT」の時代において、機器の販売にとどまらず通信環境までワンストップで提供する戦略は、ライバル他社との大きな差別化につながるでしょう。
この画期的な試みを実現するため、丸紅はNTTドコモと重要な契約を結びました。それが、自社で電話番号の管理や通信状態のコントロールができる「フルMVNO」という仕組みです。MVNOとは仮想移動体通信事業者のことで、大手携帯キャリアから回線を借り受けて通信サービスを提供する事業者を指します。今回のフルMVNOへの参入は、国内ではインターネットイニシアティブ(IIJ)などに続く4社目の快挙であり、総合商社としては初の試みとなるため、業界内でも大きな注目を集めています。
ネット上のSNSでも、このニュースは大きな反響を呼んでいるようです。「商社が通信インフラまで握るとは、ビジネスの枠組みが変わる」「工場だけでなく、あらゆる産業のDXが加速しそうだ」といった、期待に満ちた声が数多く寄せられています。今回の参入によって丸紅は、法人向けのIoT機器へSIMを提供するだけでなく、訪日外国人観光客などの利用データも自社で蓄積できるようになります。集まった顧客情報を活用した、全く新しいビジネスモデルの誕生にも期待が高まりますね。
具体的な事業展開として、法人向けには工場のほか、ビルの空調システムや建設機械、さらには最先端の物流施設などを対象に想定しています。こうした施設のスマート化を支える通信基盤として、1社あたり数万枚規模のSIMを長期契約で結ぶ見込みです。このように産業の根幹を支えるスマート化において、独自の通信インフラを提案できる商社は極めて稀であり、丸紅の市場における優位性は確固たるものになるに違いありません。
一方で、一般ユーザー向けのビジネスも見逃せません。家電量販店などを通じて訪日客向けの短期利用格安SIMを販売するほか、利用者の通信傾向や移動ルートなどのデータを分析し、デジタルマーケティングへ活用するサービスも開発される予定です。情報通信ネットワーク産業協会の予測によると、国内のIoT関連市場は2018年度の約6兆7000億円から、2023年度には約9兆5000億円へと急成長を遂げる見通しであり、まさに今が参入のベストタイミングと言えます。
今後は、超高速・大容量の通信を可能にする「5G」の普及も確実視されており、工場内の大量のデータ処理を後押しするでしょう。これほどの成長分野だけに、住友商事やANAホールディングス、関西電力といった異業種からの参入も相次いでいます。私は、丸紅の強みである「商社としての幅広い産業ネットワーク」と「通信の自由度」が掛け合わさることで、他社を圧倒する強力なシナジーが生まれると確信しています。これからの丸紅の動向から、目が離せません。
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