2019年6月27日、富士フイルム株式会社が、バイオ医薬品の開発・製造受託事業において、革新的な高効率生産システムを開発したというニュースが飛び込んできました。この新しい生産方式は「連続生産」と呼ばれ、従来の生産方法と比較して、タンパク質の生産効率をなんと3倍以上も向上させる可能性を秘めているのです。これは、医療の未来を左右するバイオ医薬品の安定供給とコストダウンに大きく貢献する画期的な技術と言えるでしょう。
バイオ医薬品とは、化学合成によって作られる一般的な医薬品とは異なり、微生物や動物の細胞などを利用して作られるタンパク質を主成分とした薬のことです。具体的には、がんや自己免疫疾患などの治療に使われる抗体医薬品などがこれにあたります。その製造過程では、まず動物などの細胞を大きな培養タンクで育て、目的となるタンパク質(原薬)を生み出させます。次に、このタンパク質から、培養中に発生した老廃物などの不純物を取り除く「精製」という工程が必要となります。
従来、この製造プロセスは「バッチ生産」という方式で行われてきました。これは、一つの培養タンクでの工程が完了してから、次の精製工程へと移行する、いわば段階的な生産方法です。これに対し、今回富士フイルムが開発した「連続生産」方式は、細胞の培養と、そこから取り出されたタンパク質の精製という、通常分かれていた工程を休みなく続けて行う点が最大の特徴です。
具体的には、細胞の栄養源となる「培地」を培養タンクへ絶えず供給し続ける一方で、目的のタンパク質や細胞の老廃物を常に回収し、精製工程へ送り込みます。これにより、タンクを止めずに生産し続けられるため、生産性が飛躍的に向上するのです。この「連続生産」システムを導入することで、従来方式に比べて3倍以上のタンパク質を得ることが可能になると発表されており、そのポテンシャルには目を見張るものがあります。
このニュースは、特に医療・製薬業界に大きなインパクトを与えるでしょう。インターネット上のSNSでも、「3倍はすごい!バイオ薬の価格が下がることに期待!」「技術の革新が医療を変える」「富士フイルムがここまでとは知らなかった」といった驚きと期待の声が多く見受けられました。バイオ医薬品は従来の薬に比べて製造コストが高く、薬価が高額になりがちですが、この高効率な生産技術が普及すれば、より多くの患者様に、より早く、薬を届けられる未来が現実味を帯びてくるでしょう。
私自身、この技術開発は、日本の製薬・バイオテクノロジー分野における大きな一歩だと感じています。富士フイルムは、写真フィルムで培った高度な化学技術を、近年バイオ医薬品分野へと大胆に応用し、この成長市場で存在感を高めています。この新しい「連続生産」システムを活用した製造受託サービスは、2019年秋に開始される予定とのことです。この画期的な技術が、今後のバイオ医薬品業界にどのような変革をもたらすのか、大いに注目していきたいと考えています。
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