大手食品メーカーのカゴメなどが、地域農業の活性化に向けた画期的な一歩を踏み出します。2020年2月4日に、北海道壮瞥町にてタマネギの加工品を製造・販売する共同出資の新会社「そうべつアグリフーズ」が誕生することが分かりました。出資比率はカゴメが50パーセント、地元の農業生産法人であるミナミアグリシステムが49パーセントとなっています。新会社のトップには、ミナミアグリシステムの南和孝社長が就任する予定です。
カゴメにとってこの新会社は、議決権の所有割合が20パーセントにとどまることから「持ち分法適用関連会社」という位置づけになります。これは、親会社が直接子会社にしなくても、投資先の利益や損失を自社の業績に反映させる仕組みのことです。今回の設立には、主力のトマトに並ぶ新たな野菜の収益源を確保し、経営基盤をより強固にしたいというカゴメ側の積極的な狙いが透けて見えます。
新会社の事業展開で特に注目したいのは、地元農家との強力なネットワークです。地域で大切に育てられた高品質なタマネギを仕入れ、北海道内だけでなく全国に向けて広く販売していく計画が進められています。さらに2022年度を目処に、冷凍保存やソテーといった付加価値の高い加工食品の製造販売にも本格的に乗り出す方針です。これによって、季節を問わず安定した供給が可能になるでしょう。
ユニークな試みとして、タマネギを保管する貯蔵庫には廃校となった壮瞥町立久保内中学校の校舎が有効活用されます。このアイデアに対してSNS上では、「思い出の校舎が地域の農業を支える拠点になるのは素敵」「地方創生の素晴らしいモデルケース」といった好意的な意見が多く寄せられました。単なるビジネスの枠を超え、地域の歴史や資産を未来へつなぐ取り組みとして、多くの人々から温かい注目を集めています。
筆者は、今回の試みが日本の地方農業が抱える課題を解決する大きなヒントになると確信しています。人口減少に伴う廃校の増加は全国的な課題ですが、それを企業のサプライチェーンに取り込む発想は非常に見事です。カゴメの持つ強力な販売網や商品開発力と、地元の生産者の情熱が融合することで、壮瞥町から全国へ素晴らしい大地の恵みが届く日を楽しみに待ちたいと思います。
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