米国のオルタナティブ・ロック界を牽引する音楽ユニット、ボン・イヴェールが2020年01月22日にZepp東京で圧倒的なライブを披露しました。彼らは中心人物であるジャスティン・ヴァーノン氏のソロプロジェクトとして始動し、グラミー賞の獲得や全米チャート2位へのランクインを果たすなど、世界中で絶大な支持を集めています。今回の日本でのステージは、海外でのアリーナ級の熱狂をそのまま凝縮したかのような、非常に濃密で贅沢な空間となりました。
SNS上でもこの日の公演は大反響を呼んでおり、「美しすぎる音響と光の演出に涙が出た」「前衛的なのに、なぜか懐かしくて温かい」といった感動の声が溢れています。ボン・イヴェールの音楽の根底にあるのは「インディー・フォーク」と呼ばれる、アコースティックギターの音色を主体とした哀愁漂う民俗音楽的なスタイルです。しかし、彼らはそこに最先端の電子音響を織り交ぜることで、これまでにない独自の音響空間を創り出すことに成功しているのです。
今回のステージを体感して強く確信したのは、彼らの最大の強みが極上のメロディーラインにあるという点でしょう。アルバムをリリースするたびに作風を劇的に変化させてきた彼らですが、最新作である「アイ、アイ」は非常に親しみやすくポップな仕上がりとなっています。この最新のモードが反映された結果、ライブでは耳に残る美しい歌声がより一層際立っており、実験的なサウンドでありながらも大衆を惹きつける理由がそこにあると感じました。
ライブ中、私はかつて世界を席巻した伝説のプログレッシブ・ロックバンドであるピンク・フロイドの姿を彼らに重ね合わせていました。その理由は、胸を締め付けるようなメランコリック、つまり憂鬱で切ない色彩を帯びた旋律が共通しているからです。さらに、米国ツアーでも話題を呼んだドラマチックな照明演出の一端が日本のステージでも再現され、視覚と聴覚の双方が激しく揺さぶられるような芸術的な空間が完成していました。
日本ではまだコアな音楽ファンのためのマニアックな存在というイメージが強いかもしれませんが、それは大きな誤解です。今回の圧巻のパフォーマンスを観れば、国内でも海外と同様の巨大なスケールで人気が爆発していく未来がはっきりと予感できました。単なる流行に留まらない、音楽史に名を残すレベルの表現者による本物のステージは、これからの日本の音楽シーンにも確実に見事な一石を投じることになるでしょう。
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