北朝鮮による拉致被害者である有本恵子さんの母親、有本嘉代子さんが2020年2月3日にこの世を去りました。最愛の娘との再会を夢見ながらも、その願いが果たされることなく旅立った報せに、日本中が深い悲しみに包まれています。夫の明弘さんは「今は言葉が出ない」と涙を流されており、その胸中を察すると胸が締め付けられる思いです。
この訃報を受け、安倍晋三首相は2020年2月6日、総理大臣官邸で記者団の取材に応じました。首相は「嘉代子さんがお元気なうちに恵子さんを日本に取り戻すことができなかった」と悔しさをにじませ、「誠に痛恨の極みである」と強い言葉で自身の責任と言いようのない無念さを表現しています。
北朝鮮による「拉致問題」とは、1970年代から1980年代にかけて、北朝鮮の国家機関が日本国民を強制的に連れ去った主権侵害および重大な人権侵害事件のことです。被害者の方々は異国の地で自由を奪われたまま生活を余儀なくされており、日本の外交において最優先で解決すべき極めて深刻な人道課題となっています。
安倍首相はさらに、被害者のご家族が全体的に高齢化している現状へ強い危機感を示しました。「一刻の猶予もない状況の中、あらゆるチャンスを逃すことなく果断に行動していかなければならない」と述べ、今後の拉致問題解決に向けた交渉に強い決意を改めて表明しています。
SNS上ではこのニュースに対し、「生きているうちに会わせてあげたかった」「あまりにも残酷すぎる現実だ」といった、政府のこれまでの対応に対するもどかしさや、悲痛な叫びが数多く投稿されました。国民の間でも、一刻も早い全被害者の帰国を望む声がかつてないほど高まっています。
筆者は、これ以上ご家族の命の時間が尽きてしまう前に、国家の威信をかけて具体的な成果を出すべきだと強く感じます。言葉だけの決意表明はもう要りません。政府には、北朝鮮側を本気にさせるような実効性のある外交カードを切り、一瞬の隙も逃さない冷徹かつ迅速な交渉を敢行してほしいと切に願います。
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