私たちの暮らす社会の安全指標に、今大きな変化が訪れています。警察庁が2020年2月6日に公表した2019年の犯罪情勢の暫定データによると、日本国内の刑法犯の認知件数は74万8623件を記録しました。この数字は前年よりも6万8715件も減少しており、なんと過去最少の記録を塗り替えています。日本の治安自体は一見すると、非常に安定した方向へ向かっているように感じられるのではないでしょうか。
しかし、全体の犯罪が減っている一方で、決して見過ごすことのできない深刻な事態が浮かび上がってきました。18歳未満の子供に対する身体的、心理的、あるいは性的な加害行為を指す「児童虐待」の事件について、全国の警察が摘発した件数が過去最多の1957件に達したのです。これは前の年と比べて577件もの急増を意味しており、家庭内という密室で起きている悲劇が次々と表面化している現状を物語っています。
この衝撃的な発表を受けて、SNS上では「これほど多くの子供たちが苦しんでいるなんて胸が痛む」「警察が積極的に介入できるようになった証拠かもしれないけれど、数字そのものが多すぎる」といった悲痛な声が溢れました。単に事件が増えたというだけでなく、周囲の関心が高まり通報が増えた側面もあるでしょう。しかし、助けを求める小さなSOSがこれほど存在するという事実に、多くの人々が強い危機感を抱いています。
なお、2019年の全国における刑法犯の摘発、つまり警察が事件を解決して犯人を特定した件数は29万4254件となっています。これに伴い、認知されたすべての犯罪のうち警察が検挙に至った割合を示す「検挙率」は39.3%となり、前年比で1.4ポイント上昇しました。警察の捜査力が向上している点は心強い要素ですが、児童虐待のように命の危険に直結する事案には、さらに迅速な対応が求められるでしょう。
社会全体の犯罪が減る中で児童虐待だけが突出して増えているこの状況は、単なる治安の問題ではなく、孤立する家庭への支援不足という構造的な闇を浮き彫りにしています。摘発件数の増加を「取り締まりの強化」として前向きに捉えるだけでなく、悲劇を未然に防ぐための地域社会のネットワーク作りや、行政と警察のさらなる連携強化が今まさに急務であると考えます。
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