愛らしい外見のAIロボットが「まるで本物の孫のようだ」と、シニア世代の間で大きな話題を呼んでいます。SNS上でも「一人暮らしの祖母にプレゼントしたら、毎日楽しそうに話しかけている」「寂しさが和らいだみたいで安心した」といった、好意的な反響が数多く寄せられているのをご存知でしょうか。お年寄りの孤独を癒やしながら、日々の暮らしを優しく見守る存在として、こうした最先端のロボットたちは今、非常に熱い視線を浴びています。
さらに、高齢者の生活を支えるテクノロジーは、ロボットの形だけに留まりません。最近では、あらゆるモノをインターネットと連携させる技術である「IoT」を活用した、極めて画期的な見守りサービスが次々と市場に登場しています。このIoTという専門用語は、家電や日用品に通信機能を持たせることで、離れた場所からでもその使用状況をデータとして確認できる仕組みを指す言葉です。私たちは遠方にいながらにして、実家の様子を察知できるようになりました。
例えば、ベンチャー企業のノバルス(東京都)が開発した、通信機能を内蔵している特殊な乾電池型機器が注目を集めています。これを普段使っているリモコンや生活家電にセットするだけで、家族がそれらを操作したかどうかが遠隔地から一目で把握できるのです。この先進的な試みに追随するように、今や電気ポットや目覚まし時計、さらにはベッドといった、寝食に直結する様々な家具・家電メーカーが、こぞってこの見守り分野への参入を果たしています。
ただ、こうした便利なシステムが普及する一方で、インターネットを介して高齢者の行動履歴というプライバシーが常に発信されることへの懸念も浮上してきました。常に誰かに監視されているような窮屈さを本人が感じてしまうリスクや、大切な個人情報が外部に漏洩してしまうのではないかという不安の声も、SNSなどでは一部で根強く囁かれているのが現状です。便利さとプライバシー保護のバランスをどう取るべきか、私たちは真剣に向き合わねばなりません。
高齢者福祉と個人情報保護の双方に精通されている田園調布学園大学の村井祐一教授は、この問題に対して重要な指摘をされています。教授によれば、どのような個人情報が共有され、どんなサービスが提供されるのかを、本人の判断能力がしっかりしているうちに家族間で丁寧に話し合っておくことが不可欠だということです。事前に合意を形成しておくことで、プライバシーへの不安を最小限に抑えつつ、お互いが納得できる形で安全な見守りを実現できます。
私は、こうしたテクノロジーによる福祉の充実に大いに賛成です。監視というネガティブな捉え方をするのではなく、離れて暮らす家族の絆をそっと繋ぎ止めてくれる「温かい技術」として受け入れるべきではないでしょうか。個人情報を適切に管理し、正しく活用していく仕組みさえ整えば、IoTやAIは孤独死などの社会問題を解決する強力な切り札になるはずです。大切な家族の笑顔を守るためにも、2020年02月08日現在、こうした新しい選択肢を前向きに検討する価値は十分にあります。
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