倒産で突然の解雇!未払い給与や退職金はどうなる?知っておくべき労働者の権利と救済制度

ある日突然、勤務先から明日で閉店し、本日付で全員解雇だと告げられたら頭が真っ白になりますよね。先日も地方の老舗百貨店が自己破産を申請し、突如店を閉じたニュースが世間を賑わせました。昭和の華やかな時代を知る世代にとっては寂しい限りですが、いつ自分が当事者になるか分からないのが今の時代です。

この切実な問題に対し、SNS上では「明日は我が身で他人事とは思えない」「突然クビなんて生活が立ち行かなくなる」といった不安の声が数多く上がっています。そこで今回は、会社が倒産した際に私たちの給料や退職金がどのように守られるのか、法的な視点から詳しく紐解いていきましょう。

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即日解雇の有効性と認められる権利

経営悪化を理由に行われる人員削減は、法律上で「整理解雇(せいりかいこ)」と呼ばれます。実際に会社が深刻な経営難に陥っており、従業員を雇い続けることがどうしても不可能な状態であれば、残念ながらこの解雇を無効だと主張して争うことは極めて難しいのが現実でしょう。

しかし、何の予告もない即日解雇が認められた場合でも、労働者には「解雇予告手当(かいこよこてあて)」を請求する権利がしっかりと与えられます。これは、少なくとも30日前に解雇の予告をしなかった会社側が、その日数分に相当する平均賃金を支払わなければならないという心強いルールです。

倒産した会社からお金を回収する仕組み

問題は、いくら権利があっても倒産するほどの会社にお金が残っているのかという点です。財産がなければ回収できない危機に瀕しますが、法律は働く人を守るために、会社の限られた財産から優先的に支払いを受けられる特別な仕組みを用意しています。

これを「先取特権(さきどりとっけん)」などと呼び、倒産直前の未払い給与は最も高い優先度で扱われます。また、退職金も給与の後払いとしての性質があるため保護の対象ですが、金額が膨らみやすいため、最高順位で守られるのは給与の3ヶ月分程度に制限されている点には注意が必要です。

このように労働者の生活を守る工夫がなされていますが、実は国に納めるべき税金も同じように最高の優先度で保護されています。そのため、会社の滞納税金が莫大な額に上るケースでは、破産手続きだけでは給料がほとんど手元に戻ってこないという悲しい事態も珍しくありません。

国が助けてくれる未払賃金立替払制度

そんな絶望的な状況を救うため、国は破産手続きとは別に「未払賃金立替払制度(みはらいちんぎんたてかえばらいせいど)」を設けています。これは政府が管轄する労働者健康安全機構が、倒産した会社に代わって未払い給与の8割を立て替えて支給してくれる非常にありがたい制度です。

この救済措置は退職金も対象に含まれますが、退職時の年齢によって上限額が設けられており、およそ200万円から300万円までが支給の限界となります。満額とはいかないまでも、次のステップへ進むための大切な生活資金として、これ以上のセーフティネットはありません。

会社が倒産した後は、裁判所から選ばれた「破産管財人(はさんかんざいにん)」という弁護士が会社の財産を精算し、労働者のケアを主導してくれます。一人で悩まずに、まずは破産管財人としっかり連絡を取り合い、連携しながら手続きを有利に進めていくことが賢明な選択でしょう。

編集部が考える「これからの働き方」

老舗企業であっても明日どうなるか分からない現代において、会社の倒産は決して人ごとではありません。法律や救済制度が私たちを守ってくれるとはいえ、受け取れる金額には限界があり、完全に元通りの生活を維持することは容易ではないでしょう。

万が一の事態に直面したとき、速やかに制度を活用できる知識を身につけておくことはもちろん大切です。それと同時に、一つの会社に依存しすぎず、自らのスキルを磨いていつでも次の場所へ羽ばたける準備をしておくことこそが、本当の意味で自分を守る最大の防衛策ではないでしょうか。

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