2016年12月3日に福岡市博多区で発生した、タクシーが原三信病院に突入して3名が命を落とし7名が重軽傷を負った悲惨な暴走事故を覚えている方は多いでしょう。この大惨事を巡る裁判で、新たな動きが報じられました。2020年2月14日、福岡高等裁判所は自動車運転処罰法違反の罪に問われていた運転手の松岡龍生被告に対し、第一審の判断を支持する判決を下したのです。裁判長は一審と同様に、被告へ禁錮5年6月の実刑を言い渡しました。
今回の裁判は「控訴審」と呼ばれるもので、最初に行われた第一審の判決内容に不服がある場合、さらに上の裁判所で審理をやり直す手続きを指します。被告側は一貫して「車両の不具合によってブレーキが効かなかった」と訴え、過失はなかったとして無罪を主張していました。しかし、2019年3月に言い渡された一審判決では、入念な捜査の結果から車体に異常は認められなかったと結論づけられています。判決では、アクセルとブレーキの踏み間違いが原因であると明確に認定されました。
プロの運転手に求められる責任と悲痛な叫び
事故当時、タクシーは時速86キロという猛烈な速度で病院の1階ラウンジへ突入したとされています。この衝撃により、入院中だった遠藤一行さんや、お見舞いに訪れていた花田盛幸さん、美佐代さん夫妻の尊い命が突然奪われてしまいました。インターネット上のSNSでは、この判決に対して「被害者や遺族の無念を思うと言葉が出ない」「プロのドライバーだからこそ、自分のミスを車のせいにしないで向き合ってほしい」といった、被告側の主張に対する厳しい意見が数多く飛び交っています。
ここで適用された「自動車運転処罰法違反(過失致死傷)」とは、運転中に必要な注意を怠って人を死傷させた場合に厳しく罰せられる法律です。人を乗せるプロの運転手であれば、その責任の重さは一般のドライバーとは比べものになりません。筆者は、どれほど車のテクノロジーが進化しても、最終的に命を預かっているのは運転席に座る人間の意識であると考えます。今回の実刑判決を機に、全てのドライバーが足元の操作ひとつに潜む危険性を再認識すべきではないでしょうか。
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