国内リース業界の雄として君臨する東京センチュリーが、2020年02月06日に新たなトップ人事を発表し、ビジネス界に大きな激震が走っています。同年04月01日付で社長へと昇格するのは、現在副社長を務めている野上誠氏(66歳)です。これまで長年同社を牽引してきた浅田俊一社長は代表権のある会長へ就任し、強固な二頭体制で次なる時代へ舵を切る構えを見せています。
このニュースに対し、SNSなどのインターネット上では「リース業界のビジネスモデルそのものが転換期を迎えている証拠だ」「みずほ出身の敏腕経営者がどう動くか注目したい」といった、今後の戦略に期待を寄せる声が数多く上がっています。現在は異次元の低金利が続いている影響から、一般的な銀行融資との境界線が薄れ、国内における従来のリース料率は低下の一途をたどっているのが現状です。
ここで鍵となる「リース」とは、企業が希望する機械や設備を代わりに購入し、長期で貸し出す仕組みのことです。野上氏はこの仕組みに依存しない「脱リース化」という、言わば企業の生存をかけたイノベーション(技術革新や新機軸の創出)を加速させる任務を背負っています。単にモノを貸すビジネスから、いかに高付加価値なサービスを展開できるかが命題となるでしょう。
編集者の視点から見ても、今回のトップ交代は単なる一企業の世代交代ではなく、金融業界全体の構造改革を象徴する重要な一手だと確信しています。モノの価値が急速にデジタルへ移行する現代において、これまでの成功体験に縛られず、事業ポートフォリオ(事業の構成バランス)を大胆に再構築しようとする同社の姿勢は、他の日本企業にとっても大いに見習うべきモデルケースです。
浅田時代の功績と、新社長・野上誠氏が歩む攻めの経営方針
これまでの礎を築いた浅田氏は、みずほフィナンシャルグループの副社長から、前身である東京リースへ転じ、2008年から長きにわたり社長を務めてきました。2009年には旧センチュリー・リーシング・システムとの大合併を主導し、2016年には社名からあえて「リース」の文字を外すなど、先見の明を持った改革を次々と断行してきた実績を持っています。
そのバトンを受け継ぐ野上誠氏は福岡県出身で、1976年(昭和51年)に西南学院大学商学部を卒業後、第一勧業銀行(現在のみずほフィナンシャルグループ)に入行しました。2005年にみずほ銀行の執行役員に就任し、2008年から東京リースの取締役に転じてからは、専務や副社長を歴任して経営の屋台骨を支え続けてきた人物です。
長年にわたって金融の最前線を見つめてきた野上氏だからこそ、従来型の融資やリースビジネスの限界を誰よりも冷静に見抜いているに違いありません。浅田氏が耕してきた「脱リース」という変革の土壌を、新社長がどのように大輪のビジネスへと開花させるのか、その手腕に大きな期待が寄せられています。
コメント