民放キー局決算から見るテレビの未来!広告低迷を乗り越えるネット配信への挑戦と新たな収益戦略

2019年4月1日から2019年12月31日までの期間における、民放キー局5社の連結決算が2020年2月6日にすべて出そろいました。今回の発表では、日本テレビホールディングスをはじめとする3社が減益を記録するという、厳しい現実が浮き彫りになっています。かつてはメディアの王様として君臨していた地上波テレビですが、現在は広告市況の長期的な低迷に苦しんでいるようです。時代が大きく動くなかで、各社は今まさに収益構造の改革を迫られています。

SNS上では「最近はテレビをリアルタイムで見ることが減った」「ネット配信の方が手軽で便利」といった視聴者のリアルな声が多数飛び交っていました。このような世論を反映するかのように、各局はインターネット配信をはじめとする新規事業へのシフトを急速に進めています。従来の放送事業だけに頼らない姿勢が、今後の明暗を分けるでしょう。編集部としては、この苦境を機にテレビ局がどのような革新的コンテンツを生み出していくのか、大いに期待しています。

スポンサーリンク

日テレとテレ東の苦悩とスタジオ投資の裏側

業界トップを走る日本テレビホールディングスでも、純利益は前年の同じ時期と比べて16%減の241億円という結果にとどまりました。売上高は微増の3170億円を維持したものの、広告収入の落ち込みに加え、スタジオの減価償却費が大きな負担となっています。この減価償却費とは、高額な設備などの購入費用を長年にわたって分割で計上する会計処理のことです。将来への投資が一時的に利益を圧迫している状況であり、今後の回収フェーズが注目されます。

一方、テレビ東京ホールディングスも12%の減益となっており、広告市場の冷え込みが全方位に影響を与えていることが分かります。テレビCMの枠を購入する企業側が、より投資対効果の明確なインターネット広告へ予算をシフトしている流れは止まりません。メディアとしての影響力を維持するためには、従来のビジネスモデルからの脱却が急務といえます。

TBSの巨額利益計上とテレビ朝日の戦略的買収

2020年2月6日に決算を発表したTBSホールディングスは、純利益が29%減の123億円と大幅なマイナスを記録しました。しかし同時に、保有株式の売却によって2020年3月期に260億円もの特別利益を計上するという驚きの戦略も打ち出しています。これはイギリスの投資ファンドから、政策保有株と呼ばれる「お付き合いで持つ株式」の売却を求められていた背景が関係している模様です。資産を整理し、身軽になることで次への投資へ備えているのでしょう。

これに対して、見事な数字を叩き出したのがテレビ朝日ホールディングスです。東映の株式を追加取得して「持ち分法適用会社」にしたことで、会計上に「負ののれん」が発生し、純利益は2.2倍の242億円へ急増しました。この負ののれんとは、企業の価値よりも安い価格で買収できた際に生まれる差額利益のことです。逆風のなかでも、こうした戦略的な企業買収によって利益を底上げする手法は、今後のテレビ業界における強力なサバイバル術になるかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました